「公邸料理人」が宝の持ち腐れ 大使公邸でパーティー激減 外交の最前線で起きている「深刻な劣化」
「情報電」も激減 もはや外交官ではなく“内交官”
人脈構築ができなければ貴重な情報も手に入らない。その結果、激減しているのが「情報電」だという。 「情報電」とは、例えばロシアがいつウクライナに侵攻しそうだとか、そういう貴重な話を電報にして東京の外務本省に送る情報のこと。内々に聞く話なので「内話電(ないわでん)」ともいう。いわば日本外交の大動脈が劣化しているというのだ。 山上信吾氏: 「キャンベラの大使館でランチは現地の人と食べるかと思ったら、大方の外交官は、部屋にこもってサンドイッチを食べながら仕事をする。外に出て人間関係を作って情報収集してという、かつての基本動作がものすごく弱くなっている。もはや外交官ではなく内交官だ」 情報にこそ価値がありと、なぜ考えなくなったのか? 山上信吾氏: 「東京にずっといてエリート街道まっしぐらの人が、在外公館を経験する機会がどんどんなくなっている。在外をやらなくても事務次官になれる。次官が大使の仕事のことを知らないからだ」 在外公館(外国にある日本大使館、総領事館、政府代表部)は現在、世界各地にあわせて233カ所ある。世界中に張り巡らした「情報収集のネットワーク」が機能しないで、どうして「したたかな外交」ができるのだろうか。
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