『流浪の月』激変の横浜流星が「凄すぎる」と反響
広瀬すずと松坂桃李がダブル主演を務める映画『流浪の月』(公開中)で、広瀬演じるヒロインの恋人役として李相日監督と初タッグを組んだ横浜流星。公開後、パブリックイメージを覆す新境地に挑んだ横浜の熱演が話題沸騰だ。 【写真】前半シーンではまるで違う表情の横浜流星 本作は2020年本屋大賞で大賞を受賞した凪良ゆうの小説を、『悪人』『怒り』などの李相日監督が映画化。10歳の時に誘拐事件の被害者として世間に名を知られることになった家内更紗(かない・さらさ/広瀬)が、その事件の加害者とされた当時19歳の青年・佐伯文(さえき・ふみ/松坂)と15年後に思わぬ再会を果たし、周囲に波紋を呼んでいく。横浜は、更紗の現在の恋人でエリート会社員の中瀬亮を演じている。
横浜演じる亮は、外見、内面ともに劇的な変化を見せるキャラクター。“誘拐事件の元被害女児”という過去を抱える更紗への強すぎる愛情が、やがて支配、暴力へと変わっていく。5月13日の初日舞台あいさつでは、横浜が亮役を「作品を観る方は更紗や文の目線で見ると思うので、亮はすごく嫌な奴に見えるかもしれないですけど、自分がちゃんと亮の一番の理解者で、亮を愛して生きていこうと思っていました」と紹介。初の李作品は「チャレンジしかなかった」と、1か月前に行われた完成披露で振り返っていた。
その際「最初、自分の中に亮という人物の要素がまったくないと思っていたので、非常に大きな壁でした」と自身とかけ離れたキャラクターに戸惑ったこと、とりわけ数年間培ってきた空手で「人に弱みを見せない」精神が身についていたため、恋人に「甘える」側面を理解し演じることに苦戦したと明かしていた。広瀬とは初共演となり、なかなか打ち解けられない2人を見かねた李監督の提案により、撮影前に広瀬に膝枕をしてもらうことで距離を縮めていったという。
『流浪の月』では、思わず目をそむけたくなるような暴力シーンにも挑戦。持ち前の陽の輝きを封印し、いわゆる「憎まれ役」に徹した横浜の演技に揺さぶられた観客が続出し、ネット上に「(ハマりすぎて)嫌いになりそうだった」「怖かった」「凄すぎた」「神がかっている」など多くの感想が寄せられている。