「絶対に焦るな」チーム救った主将のハッパ 福岡工大が環太平洋大に競り勝つ 最終盤シンビンで数的不利も勝ち越し【ラグビー全国大学選手権2回戦】
◆第61回全国大学ラグビー選手権2回戦 福岡工大39―32環太平洋大(30日、福岡市・博多の森陸上競技場) ■「ラガーマンの車って感じですね」福岡堅樹さんが新車紹介【写真】 福岡工大(九州)が環太平洋大(東海・北陸・中国・四国)に競り勝った。福岡工大は前半4分、相手パスのインターセプトからSO山口翔永(3年・鹿児島実)が右隅に先制トライを決め、その後も堅い守備とスピーディーなバックス攻撃を武器に、前半を27―18とリードして終える。 だが、後半は留学生2人を中心とする相手重量フォワードの突進に受け身となる場面が増え、シンビン(一時退場)で数的不利となった直後の同36分にはトライとゴールを許して32―32の同点に追い付かれた。 残り時間わずかで味方は1人少なく、モメンタム(勢い)を相手に握られた絶体絶命の状況に。それでも、主将のWTB讃井良太(4年・東福岡)は「まだ試合は終わってない。絶対に焦るな」とチームを鼓舞。ノーサイド直前には、自身がゴール前の密集からパスを受け取り、決勝のトライを奪った。讃井は「正直、いいとこ取りというか」とはにかみながら「味方が継続してくれたボールを逃さずにしっかりトライできた」と胸を張った。 この日は俊足のWTB廣瀬幹太(2年・東福岡)が前半と後半に一つずつのトライを決め、20歳以下日本代表の候補合宿を経験したCTB時任凜空(3年・加治木工)も精度の高いキックで勝利に貢献した。 次は12月14日の3回戦(和歌山・紀三井寺公園陸上競技場)で関西3位の近大と激突。九州勢は全国選手権で半世紀以上、関西や関東勢に勝っていない。悲願の白星に向けて、宮浦成敏監督は「フォワード勝負で苦戦を強いられると思う。ディフェンスにフォーカスして、数少ないチャンスを取れるように頑張る」。讃井も「相手はレベルが2段階も上。フィジカル負けしないよう強化して、ディフェンス力と決定力を上げたい」と闘志を燃やした。(山崎清文)