小売各社、消費回復に手応え ボーナス商戦が佳境 高価格帯が好調
名古屋市内の百貨店や小売店でボーナス商戦が佳境を迎えている。各社とも足元の売り上げが前年を上回るペースで推移しており、消費回復に手応えを感じている様子。各社はセールの実施や高価格帯の商品展開によって需要を取り込む。 省エネエアコン人気 エディオン名古屋本店(中村区)は、今週に入り売上高、客数ともに前年同期比約1・2倍で推移。30万円前後で、電気代を節約できる省エネのエアコンが売れている一方、ぜいたく需要で3万円以上のドライヤーやシャワーヘッドも好調だ。防災意識の高まりから10万~20万円のポータブル電源も引き合いが強い。「屋外などで何日も過ごすことを考え、大容量を選ぶ方が多い。高価格なのでボーナスを充てる方もいる」(担当者)と明かす。 名古屋三越栄店(中区)は1~10日、宝飾品・時計ゾーンの売上高が18%伸びた。売れ筋はセイコーの20万円台の腕時計「プロスペックス」や100万円台の「クレドール」、ブシュロンの約57万円の新作ペンダント、約91万円のリングなど。担当者は「無理なく購入できる20万円台の商品とハイクラスな価格帯のものが、両方売れている」と話す。
名鉄百貨店(中村区)は、10~12日の売上高が14・5%増加。10万円前後のネックレスや、4万~5万円もしくは8万~10万円の婦人服コートの売れ行きが良いという。 松坂屋名古屋店(中区)も1~10日に婦人服コートの売上高が20%伸び、平均単価は5%増の約6万円。比較的高価格帯の10万円弱のコートも売れている。販売促進策では25日まで、カード・アプリ会員向けにポイントアップキャンペーンを実施。リニューアル効果を見込み、期間を29日間と前年比17日増やす。 堅調なごほうび需要 中古品流通大手のコメ兵(本社名古屋市)はボーナスを当て込み、25日までセールを行う。宝石、時計、バッグなど1万8千点以上を最大30%引き、さらにLINEの友だち追加で最大5千円オフクーポンが利用できる。エルメスやシャネルの50万円以上のバッグのほか、宝石は10万円から、腕時計は20万円もしくは40万円からが売れ筋。担当者は「自分へのごほうびに高価格帯の商品を選ぶ傾向も強い」という。
リユースショップのセカンドストリート(本社名古屋市)は、5千円以上の衣料品が好調で、1~12日の既存直営店の売上高が15%増だった。15日まで店舗とオンラインストアで衣料品を20%引きするほか、5店舗巡ると1700円分のクーポンがもらえるスタンプラリー、SNS(交流サイト)でのプレゼントキャンペーンなど複数の施策を展開している。 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの塚田裕昭調査部主任研究員は「近年はブラックフライデーなどもあり、消費時期は分散している。ただ、賃金上昇もあり、消費全体としては上向きになってきた」と分析する。