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クール、兄貴キャラ、ドS、悪役も抜群の“演じ分け”力。声優界の名バイプレイヤー「鳥海浩輔」を考える

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この人の声を知っておけばアニメがもっと楽しくなる(はず)! 今、旬を迎えている声優の魅力をクローズアップする連載コラム。今回は、『弱虫ペダル』今泉俊輔役、『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』グイード・ミスタ役などで知られる鳥海浩輔さんを解説。アニメ声優としての活躍はもちろん、この春より開設の公式YouTubeチャンネルで見せてくれる“役作りのプロセス”とそのスキルにも注目です。 【動画】算数「鳥海浩輔によるクールキャラと演じ分けの方程式」 ◆主役を輝かせながら、常に自らの爪痕を残していく演技力 アニメやドラマ、映画など、どんなジャンルの作品でも、観る者が「これは!」という印象を残すコンテンツには、必ず魅力的な脇役=バイプレイヤーが存在する。実写の世界でも文字通りの『バイプレイヤーズ』というドラマシリーズがヒットを飛ばしたが、そこで主役を張っていた故・大杉漣、遠藤憲一、田口トモロヲ、寺島進、松重豊、光石研らはまさに、顔を見れば「そういえばこの人、あのドラマでも観たことあるし、あの映画にも出てたよね!」と気づく幅広いジャンルで活躍する名バイプレイヤーと呼ばれる人たちだ。 「あのドラマでも」「あの映画でも」と多くの作品に出演しているということは、シリアスからコメディまでどんなテイストにも対応でき、主役を輝かせながらも物語における自分の役割=キャラクターで爪痕を残せるだけのたしかな演技力を持ち続けているということ。しかも名バイプレイヤーと言われる人は、年齢やキャリアを重ねるほどに魅力を増し、ますます、どんな作品にも欠かせない存在となる。 筆者のなかで鳥海浩輔は、まさにキャリアを重ねるごとに魅力を増す名バイプレイヤーのひとりだ。鳥海の声優としてのスタートは、1990年代後半、すでに約四半世紀のキャリアを持つ。 若手時代から鳥海は、青年時代の岬太郎を演じた『キャプテン翼』や同じ高橋陽一作品『ハングリーハート WILD STRIKER』の主人公・叶恭介などのスポーツアニメから、本人も思い入れの深いという主人公・甲賀弦之介を演じた『バジリスク ~甲賀忍法帖~』といった超シリアスでドラマティックな作品、少年時代から演じてきた国民的アニメ『NARUTO -ナルト-』シリーズの犬塚キバ、個性的な設定とトリッキーな展開で人気を呼んだ『魔人探偵脳噛ネウロ』の石垣筍など幅広いテイストの作品に出演してきていた。 ◆一聴して鳥海浩輔だとわかる…その独特の声質を分析 その上で、活躍の幅が一気に広がり、鳥海の声と演技の底力が知られていったのは、女性向けのドラマCDや恋愛ゲームからアニメへと発展したメディアミックス作品が牽引した印象が強い。 筆者が鳥海の存在を確実に印象づけられたのも、彼が陽炎のシヴァを演じ、女性向けのCDドラマから人気に火が着いて2003年、2007年とアニメ化を果たした『セイント・ビースト』シリーズだ。大切な人を想う気持ちが行きすぎる2面性のある“ヤンデレ”キャラクターは、シリーズを重ねるごとに存在感を増していったのを思い出す。 アニメ化されたものだけを追っても、『セイント・ビースト』以降も『純情ロマンチカ』シリーズの宇佐見春彦、『咎狗の血』のアキラ、そして今も根強い人気を誇る『薄桜鬼』シリーズの斎藤一、『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズの愛島セシル、『DIABOLIK LOVERS』の逆巻シュウ、『BROTHERS CONFLICT』の朝日奈梓、『ツキウタ。』シリーズの睦月始、『刀剣乱舞』シリーズの三日月宗近、『B-PROJECT』シリーズの夜叉丸朔太郎、完全女性向けではないが女性ファンの多い『弱虫ペダル』の今泉俊輔等々、人気シリーズで主人公を支える存在感あるキャラクターを数々演じ上げている。 それほど女性の心を掴む鳥海の声は、音域も比較的高めのテノールボイスから低めのバリトンまで幅が広い。女性向けコンテンツでは、低音めのキャラを演じることも多く、そこにも女心をうっとりとさせる魅力がある。全体的な声質は、張り詰めた1本の堅い芯の周りを、まろやかでソフトな甘さがコーティングされているイメージがあり、一聴して鳥海浩輔だと分かる独特の声質を作り上げている。 加えて、高めの声ではふわりとした甘さが強まって、無邪気な雰囲気や飄々とした雰囲気が醸し出され、低めの声では堅い芯の部分が冷めた響きを持って抽出され、冷静沈着さやセクシーでクールなSキャラ度を高めていく(演技の上でも、ゆったりしたセリフ回しで色っぽさを増幅させるのも、鳥海の得意技といえる)。その声の持つナチュラルな2層構造が、鳥海自身の演技力によってキャラクターごとにブレンドされ、作品やシーンによって効果的に出し入れされることで、より人間味を深めたキャラクターへと進化させていくところも、じつに巧みだ。 もちろん、その声の魅力と演技力は女性向け以外の作品でも発揮される。『機動戦士ガンダムAGE』のキャプテン・アッシュ/アセム・アスノといった硬派キャラや、スタンド“セックス・ピストルズ”とともに『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』のムードメーカーとして弾けた戦いで魅せるグイード・ミスタといった人気キャラを演じたことで、鳥海浩輔の魅力を再確認した男性アニメファンも多いはず。『アイカツ!』シリーズの針生六四郎役のように、低年齢向けの作品でもしっかりと存在感を示している。 ◆自身の演技とキャラクターを徹底深掘りしたYouTubeチャンネルに要注目! そしてアニメ作品での声優としての活躍以外でも、ぜひ注目して欲しい鳥海浩輔ワークスとして挙げたいのが、YouTuberとしての活動だ。 彼が2020年春に立ち上げた公式チャンネル「鳥さん学級」は、声優バラエティ番組やイベントステージなどでも達者なタレント性を発揮している鳥海のパーソナルな魅力の集大成的内容。とくに「算数」の授業を名付けられた、鳥海が演じたキャラクターの役作りや演技プランを自ら解説する「鳥海浩輔による〇〇〇方程式」と題されたシリーズ動画は必見! こちらでは「魅力的な悪役」「ミステリアスな大物キャラ」「クールキャラと演じ分け」「ダークヒーローな兄貴キャラ」「無気力でドSな吸血鬼」などをテーマに、声優がふだんどうやってキャラクターを分析し、役者として何を加えながら演技していくかという、興味深い話が目白押し。声優という職業の奥深さと、鳥海の役者としてのスキルの高さを知るにももってこいだ。声優に興味のある人に、ぜひ観てほしいコンテンツとなっている。 文 / 阿部美香 クール、兄貴キャラ、ドS、悪役も抜群の“演じ分け”力。声優界の名バイプレイヤー「鳥海浩輔」を考えるは、WHAT's IN? tokyoへ。

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