Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

「市販薬より処方薬が効く」は本当か 病院に行くべき適切なタイミングとは

配信

47NEWS

 風邪の原因は、そのほとんどがウイルス感染症とされています。しかし、抗生物質はウイルスをやっつける薬ではなく、細菌をやっつける薬なのです。  細菌とウイルスは、全く異なる微生物。わかりやすい言い方をすると、風邪を抗生物質で治せないのは「ゴキブリを蚊取り線香でやっつけられない」ことと同じです。  2017年に厚労省が発行した「抗微生物薬適正使用の手引き」にも、「感冒(風邪)に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する」と明記されています。  また、抗生物質の多くは、腎臓や肝臓の機能が悪い患者さんに対し、血液検査の値などを確認しつつ細かく容量調節しなければなりません。  抗生物質のような、専門的な判断を要する薬が欲しい場合は、医師に相談する必要があります。 ▽「病院に行くべき時」とは?  では、そもそも「病院に行くべきかどうか」を、どのように判断すればいいのでしょうか?  もちろん、個別の症状に応じてケースバイケースですから、明確な「基準」をここで単純明快に解説することはできません。

 しかし、大きな目安として私たちがよく説明するのは、 「これまでに経験したことのある症状かどうか」 です。  例えば、咳や鼻水、喉の痛みがあったとして、「いつもの風邪だ」と思えるケースなら、まずは市販薬での対応でよいと私は考えています。  一方で、高熱が出てぐったりしている、食事や水分がとれない、激しい咳が続く、といった症状で、「これまで経験したものとは違う」と思われた時は受診のタイミングです。  これは、頭痛や腹痛、胸痛など、さまざまな症状に対しても同様のことが言えます。 ▽セルフメディケーションも  近年、「セルフメディケーション」という考え方が広まっています。  軽い症状の時は、薬局で薬剤師や登録販売者に相談して情報提供を受けた上で、自分の症状に合った市販薬を選ぶ習慣を身につけることが望ましい、という概念です。  「セルフメディケーション税制」として、一定の市販薬の購入に支払った金額が年間1万2000円を超える時は、その超える部分の金額(上限8万8000円)が所得から控除されるという、税制面での優遇もあります。

 軽い症状で病院に来る人が減れば、本来病院でしか治療できないような重症患者さんへの診療がスムーズに行えるため、医療にかかる患者さん全体の利益はかえって大きくなる、という考え方に基づいています。  もちろん、自力での解決が難しい時、不安が大きい時は、遠慮なく医師に相談する、という姿勢で全く問題ありません。  しかし、「必要がないならわざわざ病院には行きたくない」という人も多いのではないでしょうか。  前述した、市販薬と処方薬の基礎知識を頭に入れておき、上手に病院や医師を利用することが大切です。(山本健人=消化器外科医)

【関連記事】

最終更新:
47NEWS