“生粋の技術職”に突然「総務課」への異動命令…「これってあり?」 職人の訴えに最高裁が出した“画期的な判決”
最後に
これまで日本では、長期雇用システムの下でさまざまな職種をローテーションさせて従業員を育成する(いわゆる「メンバーシップ型雇用」)という色合いが濃かったので、職種限定の合意は簡単には認められなかった。(日産自動車村山工場事件:最高裁 H10.9.10、九州朝日放送事件:H1.12.7など) しかし、これからはXさんのように、特定の技能を持つことを前提に採用される「ジョブ型雇用」が浸透してくると考えられる。そうなると、本件と同様に職種限定の合意が認定されるケースが増え、会社は従業員に対して他職種への配転命令は出せなくなるだろう。 林 孝匡(はやし たかまさ) 【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。情報発信が専門の弁護士です。 専門分野は労働関係。好きな言葉は替え玉無料。
林 孝匡