東武線「埼玉・千葉の県境付近」の4駅に何がある?アーバンパークラインのパーク区間、藤の牛島から七光台まで
その先は、いかにも歴史のありそうな細い道。これはきっと、目抜き通りの商店街か何かだったのだろう。庄和町の商店街である。 「あと、歩くと少しかかりますが、南桜井駅は“地下神殿”として有名になった首都圏外郭放水路の最寄り駅でもあるんです」(井野駅長)。放水路は東武トップツアーズが見学ツアーをやっている。その存在は知っていても、どこにあるのかわからない人は多いかもしれない。 そしてもう1つ、南桜井駅には大きな特徴がある。駅の構内が、ホームのある範囲を越えてだいぶ東西に長いのだ。駅の東で電車は江戸川を渡るが、そのすぐ手前近くまで。というのも、この区間のアーバンパークラインは単線だが、南桜井駅は構内を長くして半ば複線区間のようになっているからだ。
■単線区間にある“複線” ふつう、単線区間に設けられる駅は、駅区間だけが複線化して列車交換ができるようになっている。しかし、南桜井駅ではその複線区間を長くすることで、交換相手の電車がホームに入ってくるのを待たずして発車できるようになっている、というわけだ。 実際に乗車してみても、この駅のすぐ東側で上り電車と下り電車がすれ違う。単線区間だけど駅を広げることで、“交換待ち”の停車をなくす。それによって、単線ながら日中も10分に1本間隔の運転本数を実現している。
そんな事実上の複線区間を抜けて江戸川を渡ると、アーバンパークラインはいよいよ千葉県に入る。千葉県に入って最初の駅は川間駅。文字通り、江戸川と利根川という2つの河川に挟まれた町の駅だ。 島式ホーム1面で、線路下の通路を抜けて北と南の駅前に出る構造だ。北口には広いロータリーがあって、近隣の学校や工業団地、ゴルフ場などへのバスが発着している。ちなみに近くにある千葉カントリークラブ川間コースでは、2024年9月に日本シニアオープンゴルフ選手権が開催された。
■駅の南北にロータリー 南側も立派なロータリー。街路樹が植えられた目抜き通りが延びる。ちょっと昭和の香りも感じる駅前だが、その先にはニュータウンの住宅地が広がっている。 2023年度の1日平均乗降人員は1万5646人。「実は野田市内の駅の中では、いちばんお客さまの数が多いんです。ここも江戸川の河川敷に公園、ゴルフ場と緑が目立つエリアで、その中にできたニュータウン。ここから右にカーブして七光台駅に向かうので、駅勢圏としては重なっているところもありますね」(井野駅長)