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鴨のコンフィの作り方──パリの3ツ星シェフ、小林圭が直伝します! 【連載:フランス料理の「アー・ベー・セー」】

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GQ JAPAN

ああ、パリに行きたい! でも、行けない! ならば、家に居ながらにしてフランスを感じる手段があります。ミシュラン3ツ星に輝いた小林圭さんがとっておきのレシピを教えてくれました。 【写真を見る】これが3ツ星シェフ流の鴨のコンフィだ!

鴨のコンフィ

2020年1月、小林圭シェフが本場ミシュラン・フランス版で3ツ星を獲得した。フランス料理の歴史に刻まれる、その快挙に湧いた日から間もなく、新型コロナウィルスが世界的に大流行。いまだ自由に海外を行き来できる日が、いつ来るのかも分からない。自宅で食べる機会が増えたいまだからこそ、本場の味を再現してみたい。 「良質な食材を丁寧かつシンプルに調理することで、素材そのもの味が際立ってきます。“滋味溢れるおいしさ”こそが、フランス家庭料理の醍醐味です」と小林シェフ。フランス料理といえば初心者は身構えてしまいがちだが、シェフの技に倣えば、仕上がりにその差は歴然だ。今回、教わるのはフランス南西部の伝統料理「鴨のコンフィ」。じっくり火入れした鴨肉を鴨のオイルで保存する贅沢な保存食で、最も古くから伝わる保存方法の一つだ。鴨以外に鶏やガチョウ、ホロホロ鳥でもアレンジ自在。バーベキューシーズンにぴったりの食べ応えある一品を学ぶ。 小林圭(以下K) 鴨のコンフィはフランスではポピュラーな料理で、バーベキューや野外のパーティに喜ばれます。肉は低温の脂で煮込んだ後に、その脂に漬け込んでおけば、2~3週間は保存がききます。食べるときは、鴨の脂で煮たジャガイモとともに、フライパンで香ばしく焼き上げます。噛みしめるたびにコクのある旨みが口いっぱいに広がるダイナミックな料理です」 【材料:1人分】 鴨のモモ肉 1本(今回は330g) 玉ねぎ 1/2個 エシャロット 1個 ニンニク 2片 タイム 適量 ローリエ 2枚 塩、胡椒 分量外 グレス・ド・カナール(鴨の脂) 適量 ジャガイモ グルナイユ種 10~12個 【仕上げ】 ディジョンマスタード 適量 パン粉 適量 K 鴨肉は鶏のモモ肉でも代用できます。地鶏を使うと、より引き締まった歯ごたえと深みのある味わいが期待できます。ジャガイモはグルナイユ種がなければ新ジャガを、鴨の脂「グレス・ド・カナール」がなければオリーブオイルを使用してください 【手順】 1.鴨のモモ肉は羽根が残っていることもあるので、細かい毛はバーナーであぶる。大きいものは毛抜きなどで抜く。 2.鴨のモモ肉全体にまんべんなく塩をまぶし、肉にしっかりとなじませる。(1kgにたいして1.9gの塩)胡椒をしっかりとふり、ニンニクの半片を肉全体に擦り付け、ニンニクの香りをつける。 3.オニオン、エシャロット、ニンニクを薄切りにする。タイム、ローリエを手でたたき、香りを出す。 4.3の香味野菜と香草を鴨のモモ肉両面にのせ、落としラップをする。(香味野菜、香草を密着させ、香りを肉につける)さらに上にラップをして、冷蔵庫で一晩寝かす。 5.一晩置くと水分が出てくる。鴨のモモ肉を冷蔵庫から取りだして、まわりの香草と香味野菜をとり除き、水気をペーパータオルなどでしっかりと切る。 6.温めた鴨の脂の中にニンニク、タイム、ローリエを加える。85℃に温度を保ちながら4時間ほど煮ていく。(ニンニクはひとつづつ手でつぶすと香りが出やすくなる)金串をさしてすっと抜ける状態になれば、別の容器に移し、鴨全体が浸るくらいまで脂をかける。粗熱がとれたらラップかけ、冷蔵庫に入れて、3日ほど冷蔵庫で寝かせる。 7.ジャガイモを水洗いし、半分にカットして、水をためたボールに入れる。脂の中から鴨肉を取り出し、脂とニンニク、タイム、ローリエを鍋に入れて温め、脂を溶かす。溶けた脂に水気を切ったジャガイモを入れ、脂の中でゆっくりと煮ていく。ジャガイモは金串がスッと通るくらいになったら鍋から取り出す。 8.鴨肉は骨に沿って包丁をいれる。 9.フライパンにジャガイモを煮た鴨の脂を少量加え、鴨のモモ肉を皮から焼いていく。脂を落としながら皮にしっかりと焼き色をつける。同じフライパンにジャガイモを乗せて切り口に焼き色をつける。(ジャガイモは2度揚げするポム・フリットのイメージで。一度、油でゆっくりと火を通して、休ませる。油を高温にし、2度目はカリッと仕上げる) 10.9の鴨モモ肉にマスタードを塗り、パン粉を散らす。オーブントースターでパン粉がきつね色になるくらいまで色を付ける。 11.お皿にジャガイモ、コンフィにしたニンニク、鴨モモ肉を盛りつける。タイム、ローリエなどを飾って完成。 【作ってくれたひと】 小林圭 1977年生まれ、長野県出身。19歳で上京し、1999年に渡仏。南仏やアルザス地方のレストランで修行し、2003年からパリの「プラザ・アテネ」に勤務。2011年、「レストランKEI」を開店。翌年、ミシュランフランス版で一つ星、2017年に二つ星、今年、日本人として初の三つ星を獲得した。

文・魚住桜子 写真・Restaurant KEI

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