イタリア、エスプレッソの価格高騰で消費者に不満が広がる
イタリアではエスプレッソの価格が高騰し、人々が腹を立てている。 エスプレッソの一般的な価格は1杯1ユーロ(約130円)だが、専門家は年内に1.50ユーロまで値上がりする可能性があると話している。 サプライチェーンの問題やコーヒー豆の不作の影響で、世界のコーヒー価格は高騰している。 イタリアではエスプレッソの価格が高騰し、地元の人々をがっかりさせている。 イギリスのタイムズ紙によると、この"朝の定番の飲み物"の価格は、2022年に入ってから多くのカフェで1ユーロから1.10ユーロに跳ね上がっていて、今後も原材料の価格が値上がりし続ければ、年内に1.50ユーロまで上がる可能性があるという。 「コーヒーの値上がりを非難する数多くの苦情を受けています」とイタリアの消費者保護団体、Assoutentiの責任者フリオ・トゥルッツィ(Furio Truzzi)氏は同紙に語った。Assoutentiによると、イタリアにある16万軒のカフェのうち約76%でパン菓子といった朝の軽食を含め、値上げが起きているという。 「550万人のイタリア人の日々のルーティンを富裕層向けの贅沢に変えてしまいました」とトゥルッツィ氏は話している。 こうした値上げは、イタリアだけで起きているわけではない。2021年、世界のコーヒー価格は高騰した。コーヒー豆の生産国での天候不良が不作につながったこと、サプライチェーンの問題が供給の妨げとなり、遅れが生じたことが影響した。 ただ、専門家は、消費者はあまりにもコーヒーに夢中なため、価格の上昇にも耐えられるだろうと話している。 「(コーヒーは消費者の)日々のルーティンの重要な一部となっているため、そのコーヒー習慣を変えるには相当の変化が必要だろう」と調査会社NPDグループの食品・飲料担当アナリスト、ダレン・サイファー(Darren Seifer)氏はブルームバーグに語っている。 アメリカ最大のコーヒーチェーンであるスターバックスは、直近の決算会見でインフレ圧力に触れ、値上げの可能性を否定しなかった。 「価格は、わたしたちがこうした逆風を埋め合わせるために使う方策の1つになるでしょう」とCFOのレイチェル・ルッジェーリ(Rachel Ruggeri)氏は7月、アナリストたちに語った。 [原文:Italians are furious as the cost of an espresso soars toward record highs] (翻訳、編集:山口佳美)
Mary Hanbury