負債は約6億800万円 産業用ロボットの開発製造業者が破産手続き開始決定 新型コロナの影響による受注減から回復できず
民間の信用調査会社・帝国データバンクによりますと、長野県松本市の産業用ロボット開発製造業者「Siti」(資本金8000万円)が11月29日に長野地裁松本支部から破産手続き開始決定を受けたことがわかりました。 同社は1995(平成7)年に岡谷市で設立。液晶パネル用ガラス基板運搬装置の開発製造を行い、台湾などで需要を開拓して急成長し、2005(平成17)年3月期には年間売上高約53億5400万円を計上しました。 同年7月に安曇野市に新社屋を建設して本店を移転し、同年10月には「サンセーテクニカル」から「サンセー・インターナショナル・テクノロジー」に商号を変更しました。 しかし、経営環境の変化などから大型投資に見合う受注を確保できず業績が大幅に悪化。2007(平成19)年に経営体制を一新して抜本的な事業再建に着手し、資産売却などで債務返済を進め2010(平成22)年4月に商号を現在の「Siti」に変更、2014(平成26)年12月には松本市に本店を移転しました。 台湾、中国を主な商圏として液晶パネル・半導体・電子部品製造装置及びシステムの企画・開発・製造を手がけていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で受注が減少、予定していた受注案件の遅れもあり2020(令和2)年3月期の年間売上高は約4200万円にまで落ち込んでいました。 新型コロナが緩和された後も受注の回復は乏しく売掛金の回収が長びいたこともあって資金繰りはひっ迫、2022(令和4)年12月までに債務整理を弁護士に一任していたということです。 負債は約6億800万円にのぼる見込みです。
長野放送