自分との戦いに勝つ秘訣は“他人と違う変な習慣”? 世界の作家たちの「異常な執筆儀式」
2020年はパンデミックにより、自宅でのリモートワークに切り替えた人も多かった。時代や社会が変ろうとも、つねに孤独なワークライフを送ってきた人々、それが作家だ。 【画像】自分との戦いに勝つ秘訣は“他人と違う変な習慣”? 世界の作家たちの「異常な執筆儀式」 歴史に名を残す著名な作家たちの執筆スタイルを見てみると、彼らの独特な習慣が明らかになった。なんとも不思議なルーティンの数々をご紹介する。
机の引き出しに隠した「アレ」の臭いを嗅いで…
作家にインスピレーションは必要不可欠だ。ディストピア小説の『すばらしい新世界』で知られるオルダス・ハクスリーや、ビート・ジェネレーションの代表的な作家ジャック・ケルアックは、創作の際にイマジネーションの世界へと旅立つため、LSDやアンフェタミンなどの薬物に頼った。 一方、ドイツの詩人・思想家であり、『群盗』『ウィリアム・テル』などの戯曲を書いたことでも知られるフリードリヒ・シラーが頼ったのは、「腐ったリンゴ」だったという。どういうことだろうか? イギリスの出版社「ペンギン・ブックス」によると、友人のゲーテいわく、「シラーはデスクの引き出しに腐ったリンゴを入れておき、インスピレーションが足りないと感じたときにはいつもその臭いをかいでいた」。また、シラーの妻によると、「それなしでは生きることも仕事することもできなかった」という。 普通のリンゴでは駄目で、シラーはあえてそれを腐らせていたようだ。薬物より健全ではあるが、とても真似しようとは思えない。 ちなみに、リンゴを好んだという点では、「ミステリーの女王」と呼ばれるアガサ・クリスティも一緒。オンラインメディア「ブレイン・ピッキング」によれば、彼女はバスタブでリンゴをかじりながら殺人事件の筋書きを考えていた。
執筆準備は愛犬と
何事も、実際に「始める」までが難しい。韓国語には「始めたら半分だ」ということわざがあり、何事も始めるのは難しいが、始めたらすでに半分は達成したも同然だ、ということを意味する。 フランスの作家シドニー=ガブリエル・コレットは大の動物好きで、自身も「スーシ」というフレンチブルドッグを飼っていた。「ブレイン・ピックス」によると、彼女は執筆に向かう気持ちが整うまで、愛犬の背についたノミを丁寧に摘み取っていたという。 また、世界初の推理小説と言われる『モルグ街の殺人』を書いたエドガー・アラン・ポーは、ペットのトラ猫、カテリーナを大変可愛がっていた。創作中の作品が気に入っている場合、カテリーナはゴロゴロと喉を鳴らすとポーは考えており、執筆中は愛猫の判断を頼りにしていたとか。