元嶋佑弥「このチームで心中します」。小暮卓史「何年もかけて培われたものが爆発した」【スーパーGT最終戦GT300優勝&チャンピオン会見】
2024年スーパーGTの最終戦となった『SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL』の決勝後、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットでシリーズチャンピオン会見が行われ、逆転でドライバーとチームのダブルタイトルを獲得した88号車VENTENY Lamborghini GT3の小暮卓史、元嶋佑弥、則竹功雄監督が登壇。最終戦でのポール・トゥ・ウインとチャンピオンシップを制した喜びを語った。 【写真】最終戦でポール・トゥ・ウインを飾り逆転でチャンピオンを獲得した、小暮卓史/元嶋佑弥組の88号車VENTENY Lamborghini GT3 ■元嶋佑弥/第1スティント担当 「今回もスタートを担当しました。ここまで路面温度が低いコンディションのなかでスタートをすることはなかなかないのですが、フォーメーションラップが2周になったのでそこで助けられました」 「序盤から結構プッシュして、というのもBS(ブリヂストンタイヤ)勢が無交換作戦でくるのはわかっていたので、少しでもギャップを築いておきたいと思っていました」 「(スティントの)最後はGT500クラスと300クラスのアウトラップに飲み込まれてしまい5秒ぐらいタイムロスがあったのですが、それ以外は何もなく自分のスティントを終えることができました」 ――シリーズチャンピオンを獲得して 「JLOCに入ったのが2016年か17年か忘れましたが(編注:2017年加入)、スーパーGTにフル参戦できるかできないかという厳しいところで則竹監督に拾ってもらい、そこからキャリアを積んでいくことができました」 「フル参戦して2年目で小暮選手と組ませていただくことになるのですが、1年目当時『来年は最高のパートナーを用意したから楽しみにしとけ!』と言われ、それが幼い頃テレビの向こう側でめちゃくちゃ活躍して暴れまくっていたスーパー選手だと分かったときは本当にうれしかったです」 「則竹監督に『僕このチームで心中します』と言ったぐらいで、そのときこのチームでチャンピオンを獲りたいという気持ちも芽生えました。まだまだこれからの目標もありますので、もっとレースに集中して頑張れたらいいなと思います」 ■小暮卓史/第2スティント担当 「元嶋選手がマージンを築いてくれたので、直接対決していた65号車LEON PYRAMID AMGとのバトルではかなり優位になりました。(相手が)タイヤ無交換の作戦でくるなか、こちらは(リヤ2本を)交換した直後のアウトラップはすごく苦労しないといけなかったのですが、彼が稼いでくれたマージンがあったので前をキープすることができました」 「(ともに無交換作戦で88号車の前に出た2号車muta Racing GR86 GTと31号車apr LC500h GTをコース上で攻略し)チェッカーまでトップで走ることができたのはタイヤ交換をしていたおかげです。走りに余裕ができました」 「勝たないとチャンピオンが獲れないとわかっていたのもあって、優勝できて本当によかったです」 ――シリーズチャンピオンを獲得して 「振り返ってみて、GT300クラスに乗るとわかった瞬間、『僕のドライバー人生も終わりかな』と思ったこともありました。しかし今は、あのときチャンスを与えてくれた則竹監督に感謝しています」 「初めてGT300のクルマで走ったときは、GT500とはまったく違う感覚と奥深い難しさがあり、タイムも全然上がらなくて、どうなっちゃうんだろうな不安になりました。監督から掛けられた『大丈夫。お前を信じてるから』という言葉もすごくプレッシャーに感じていました」 「これまで、なかなか恩返しができなかったのですが、2023年最終戦もてぎで勝つことができ、チームもすごくレベルアップができました。今回のチャンピオンはそれまでに培ってきたもの、何年もかけて積み重ねられたきたものが爆発したのかなと思っています」 ■則竹功雄監督 「昨日の予選日から今日にかけて相当戦略を練っていて、まずは最大のライバルである65号車LEONをマークして、彼らがピットに入ったら『その前で(コースに)戻ろう』と。そしてそこで前に出られれば、(タイヤ無交換作戦をとってくるであろう)2号車muta Racing GR86 GTと31号車apr LC500h GTに追いつくだろうという予想の下、エンジニアの想定範囲内で動いてました」 「ふたりは100点満点のドライビングをしてくれたと思ってます」 ――シリーズチャンピオンを獲得して 「素直に、本当にうれしいです。30年掛かりました。これからゆっくり浸りたいと思います」 [オートスポーツweb 2024年12月08日]