田中裕子の主演作「千夜、一夜」公開、失踪した夫を待ち続ける女描く
田中裕子の主演作「千夜、一夜」が10月7日に東京・テアトル新宿、シネスイッチ銀座ほか全国で公開されることがわかった。 北の離島の美しい港町を舞台とする本作では、理由もわからぬまま突然姿を消した最愛の夫を30年にわたり待ち続ける女性の姿が描かれる。「家路」の久保田直が監督を務め、「いつか読書する日」の青木研次がオリジナル脚本を手がけた。 久保田は「コロナ禍を乗り越え、8年と言う年月をかけて完成させることが出来たこの作品。一人でも多くの方に届けられればと思います」とつづっている。田中、青木のコメントは下記に記載した。 ■ 田中裕子 コメント 海に夕日を見送り海に朝を迎えた佐渡での撮影の日々。この「千夜、一夜」という映画にたどり着くのに八年の時間が過ぎた。 脚本の青木研次さん、諦めなかったスタッフキャストの長かった思いも連れて、今年の秋の公開が決まった。 私達がこの映画をつくるのにかけた時間を千夜、とたとえて言うならば、観てくれた人が帰った部屋の灯りを点ける時ふとこの映画を想ってくれる一瞬は一夜、と言える。 果てない夜の中にそんな一夜、がありますようにと願いながら、秋の公開を待つ。 ■ 久保田直 コメント ある日突然、 理由もわからないまま家族が失踪してしまったら、 残された者は何を思うのだろうか。 どれだけ待ち続けることが出来るのだろうか。 人はどのような時に姿を消したいと思うのだろうか。 そんな思いが心に掛かり、 愛する人とのささやかな思い出を抱きしめながら、 待ち焦がれる女性の姿を描いてみたいと思いました。 そして、最高のキャストとスタッフが集まってくれました。 佐渡島を舞台に、 狂おしい日々を背負いながら、待ち続ける主人公。 これは、愛の映画です。 不可能な、しかし、奇跡的な。 コロナ禍を乗り越え、8年と言う年月をかけて完成させることが出来たこの作品。 一人でも多くの方に届けられればと思います。 ■ 青木研次 コメント ひとりぼっちの女がいます。 ある男が、ずっと好意を寄せています。 でも男の思いは決して届かない。不条理なまでに拒絶されるのです。 そして女は、ずっとひとりぼっちです。 小さな思い出を、生まれたばかりの雛のように抱えているからです。 脚本は、田中裕子さんのために書かれました。 久保田直監督とは、映画「家路」以来、二度目の仕事です。 撮影は、困難を究めたと聞いています。 久保田直監督とスタッフたちは、足かけ二年に渡って 佐渡の海辺をさまよいながら、主人公の固く閉じた心を 開いていきました。 その成果が、映画「千夜、一夜」です。 (c)2022 映画『千夜、一夜』製作委員会