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宇多田ヒカル、インスタライブ企画が象徴した活動変化 中村倫也、ワンオクTaka……人とのつながりを核にした姿勢

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リアルサウンド

 新型コロナウイルスによる影響で自宅隔離を余儀なくされている宇多田ヒカルが、ロックダウン中のイギリスの自宅から配信する生番組『自宅隔離中のヒカルパイセンに聞け!』が好評だ。  この企画はファンからの質問に“ヒカルパイセン”こと宇多田ヒカルが率直に答えていくもので、企画自体は2017年より実施されている。今回は初の試みとして自身のInstagramアカウントより生配信。5月3日から31日まで毎週の放送を予定しているという。  5月8日に新曲「Time」(日本テレビ系日曜ドラマ『美食探偵 明智五郎』主題歌)、そして29日には「誰にも言わない」(「サントリー天然水」CMソング)のリリースも控えているなか、10日の第2回には同ドラマの主演を務める俳優の中村倫也がゲスト出演。彼女の曲作りのテクニックの話などで配信は大きな盛り上がりを見せた。さらに、17日の第3回にはONE OK ROCKのTakaが出演。こうした状況の今だからこそ実現したとも思える珍しい組み合わせの配信に、自粛中のストレスをリフレッシュできた者も多いだろう。  宇多田ヒカルは、これまでもネットでの活動に積極的な姿勢を見せてきた。2003年には20歳の誕生日にストリーミングで『UH LIVE STREAMING 20代はイケイケ!』を生配信、2016年にはネットイベント『30代はほどほど。』を開催するなど、定期的にネット上で配信している。いち早くホームページを作成して日記を公開したり、SNSのアカウントを通して発言するなど、もともと音楽アーティストのなかでもアクティブにインターネットを活用してきた存在でもある。そのため今回のインスタライブも、その延長線上にある活動のように思える。  しかしここ数年、とりわけ活動復帰後の彼女の動向を振り返ったとき、彼女のある”変化”が見て取れる。  かつて音楽業界が“プロデューサーの時代”とまで言われていた90年代。その末期に突如現れた彼女が、自ら曲を書いて歌う“シンガーソングライターの時代”へと一変させたというのはよく聞く話。ライブの数もそれほど多くないタイプのため、人前に現れることが少なかった。それによって生まれたのが、どこか実在感のない孤高で崇高なアーティストイメージである。  一方で、活動休止を経ての復帰作となった『Fantome』には客演にラッパーのKOHHや、のちにデビューアルバムをプロデュースすることとなる小袋成彬など、新進気鋭の若いミュージシャンたちが参加。椎名林檎との共演も話題になった。前述した『30代はほどほど。』にもKOHHとPUNPEEがゲスト出演するなど、徐々に人との交流が増えている印象がある。12年ぶりに開催した全国ツアー『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018』では、お笑いタレントの又吉直樹との息の合ったコントを収めた幕間映像が肝となっていたように、”人間活動”を経た2016年以降の彼女は、“人とのつながり”が核にあるように思うのだ。  その象徴とも言えるのが今回のインスタライブである。初対面の中村倫也とのぎこちなくも親密なやり取りや、Takaとの仲睦まじい様子は、コミュニケーションを心から楽しんでいるようで人間味に溢れていた。昔の彼女のイメージからすれば大きな変化だ。コロナ禍によって離れ離れになった人びとを励ますための企画だという向きもあるだろう。しかし、それは表面的な見方だ。デビューから現在に至るまでの彼女の変遷を考えたとき、インターネットを一貫して使い続けてきた姿勢と、人との交流を重視する復帰後の彼女の意識の変化とが噛み合い、それがちょうど現在の状況によって実を結んでいるように感じるのである。

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