堂本光一 伝説ミュージカル「Endless SHOCK」ついに大千秋楽 24年間2128回歩み止めず
KinKi Kidsの堂本光一(45)主演の舞台「Endless SHOCK」が29日、東京・帝国劇場で24年間の歴史に幕を閉じた。全2128回を上演し、約370万人を動員するなど、日本の演劇史に名を刻んできた。光一は「思い残すことはありません。やり切りました」と晴れやかな笑顔で、人生の半分以上を共に過ごした作品に別れを告げた。 カーテンコールで「24年間も毎年この景色を見せていただけたこと、心から本当に感謝を申し上げたい」と万感のあいさつ。おなじみのくす玉で「光ちゃん お疲れさまでした!」と祝福された。前田美波里(76)からは今年の上演回数にちなみ142本のバラの花束が手渡され、キャスト陣からもねぎらいの言葉がかけられた。「(作品を)思い続けていただければうれしい。24年間、本当にありがとうございました」と作品に別れを告げ、最後は両手を突き上げた。 その後も観客の拍手が鳴りやまず幕前に登場。ライバル役のKAT―TUN上田竜也(41)らに7回胴上げされた。100の映画館でライブビューイングが行われ、全国の約7万人が見守った。 光一は2000年、帝劇で当時史上最年少となる21歳で主演。殺陣や階段落ち、フライングなど多様な演出で観客を魅了し続けた。全日程即日完売が続いたことにも「これだけ愛されるものになると想像していませんでした」と感慨を語った。 作品テーマ「Show must go on(何があっても舞台を続けなければならない)」の言葉通り、コロナ下では感染対策を講じたスピンオフ「Endless SHOCK―Eternal―」を上演。未曽有の苦境の中でも進み続けた。約四半世紀の歩みは「全てを自分は経験させていただいた」と振り返った。 02年には初日公演前の最終通し稽古でじん帯を損傷するも、全公演で主演するなど舞台に立ち続けた。「今の世の中では誇らしげに言うのはおかしなことかもしれない」と前置きしつつ「自分の体調などで、一度もストップさせなかった」と胸を張った。突き進んでこられたエネルギーの源について「いろんな(人たちの)思いがあるのに自分のこと一つで幕を開けられないのは、自分の中ではあり得ないこと。強行突破だったけど、やれたことは幸せだった」と明かした。 今年、作品の終幕を突如発表。この日「帝劇が改装に入らなかったら来年もやらせていただきたいと思っていた」と告白したが、光一自身は歩み続ける。「エンタメを卒業するわけではない。皆さんに喜んでもらえるものを発信していかないといけない」と既に気持ちは前を向いている。 「SHOCK」についても「後継者、現れないですかね。自分が作ったものを表から見るのは夢。そうなるといいな」と“継承”を示唆。光一の夢はこれからも続いていく。(糸賀 日向子) ≪目玉「階段落ち」エベレスト超え≫22段の階段の最上段(高さ4メートル84)から転げ落ちる「階段落ち」は目玉シーンの一つ。02年6月公演から始まった演出で、演じた1923公演で計4万2306段落下。高さを全部足すと、世界最高峰のエベレスト(8848メートル)を超える9307メートルとなる。1公演5秒かける演出で、24年間で160分かけて落下した大記録だ。 ▼timelesz・佐藤勝利(今年の4、5月公演、9月公演でライバル役)「SHOCK」にエンタメの全てを教わり、光一くんの背中を見て育ち、「SHOCK」に育てていただきました。そういう後輩、たくさんいると思います。みんな光一くんの背中を追い続けてきました。今日でラストですが、僕たちの胸にこのSHOCKの思いがずっと響き続けますし、そういう意味では終わらないと思ってます。光一くんから教わったものを大事にこれからも進んでいきます。本当に光一くん、おめでとうございます。 ▼上田竜也(主人公のライバル役)まさかこうやって、大千秋楽で一緒に光一くんとステージに立てるなんて思ってもいなかったです。本当にステージで踊りながら、感慨深いのはめちゃくちゃありました。「SHOCK」でライバル役をやらせていただいて、エンターテインメントについて凄く考える場所でした。自分の中で凄い深い作品になりました。この場所に今立っていられることに感謝したいです。