【ウインターカップ2024】大阪薫英女学院の安藤香織ヘッドコーチ「三位一体となって日本一を目指す」
大阪薫英女学院は今夏のインターハイで、安藤香織ヘッドコーチになってから最低成績となる2回戦敗退に終わった。リーダー不在のチームは思うように伸びずに苦しんだが、少しずつ薫英のスタイルを身に着け、ようやく形になってきた。「しんどかったし結果も出ていない」という1年の最後に、苦労した分だけ芯の強いチームとなった薫英は、ウインターカップで自分たちのバスケをやり通すチャレンジに挑む。
「置かれた立場で日本一になるために一生懸命にやる」
──まずは去年のウインターカップを振り返りたいと思います。準々決勝で東海大学付属福岡に逆転で敗れてのベスト8でした。そこからどんな1年を過ごしてきましたか? 双子(木本桃子と桜子)や島袋椛がいた去年の3年生が本当に素晴らしかったんですね。勉強や日常生活はちゃんとやって当たり前、その上でバスケで勝つためにどれだけやれるか。それでいて何でも楽しめる学年で、学校行事も楽しむし、U18日清食品トップリーグの遠征に行くにしても「うわ、飛行機!」、「どんだけ見とんねん!」みたいな感じだし、食事もキャーキャー言いながら楽しく食べるわけですよ。 私もバスケだけ教えていれば良かったので楽しかったんですね。バスケを教えるのは、システムがあって選手たちが自分で選択してプレーする感じだから、怒るというより「もっとこうしたら良いじゃん?」みたいな感じです。そうやって1年間楽しくやって、最後は東海大福岡に負けたのですが、やるべきことはやった試合でした。 相手に留学生という確実に点を取れるところがあって、小さく守られて外を決めなければいけない。そこで負けてしまったのは悔しかったんですけど、なんか清々しいというか。あの時は「もっと頑張っておけば」という気持ちがなかったんですね。だから、新チームも「そういうチームになろう」というところからスタートしました。 ──ただ、チーム作りはそんなに簡単にはいきませんよね。 そうですね。今の3年生も2年生も素晴らしい上級生にくっついて来ただけの子らなので、何もない状態からのスタートでした。「積極的に、主体的に」をテーマにしたのですが、まず当たり前のことができない。あこがれていた先輩がやっていたことをなぞるのですが、チーム力も違うし、毎日の努力も違うから、失敗ばかりでした。新人近畿までは前の3年生がまだいてくれて、練習で「あれやん! これやん!」と指摘してくれたのですが、その新人近畿の時が卒業式で、そこからはまあ地獄の、です(笑)。 ──先輩たちが卒業して、その偉大さにあらためて気付いて愕然とするわけですね。 そこで先輩たちと同じようにできないことに気付いて苦しんで。でも誰かがやらなきゃいけなくて、それは3年生だと私はいつも言うんです。3年生はカッコ良くないといかん。後輩のパスは死んでも取れ、絶対に守ってやれ。その上で後輩に負けるな、負けることもあるかもしれないけど、簡単に負けたらいかん、って。今の現状、3年生はそんなに試合に出てバリバリ活躍するわけではないですが、置かれた立場で日本一になるために一生懸命にやる、そのカッコいい3年生の姿を見せてほしくて、それができないことで怒られ続けて。 そこで薫英の伝統の4番を背負うリーダーを最初は高橋心愛に託したのですが、高橋も試合にたくさん出ているわけではなく、同級生に積極的に言うこともできずにかなり苦しんだと思います。そこで4月から幡出麗実に白羽の矢を立てました。