ダイハツ・コペンの進化系がスゴい! 新型スパイダーVer.に見たカスタムに対する熱き思い
新型コロナウィルス感染拡大に伴いカスタマイズカーの祭典「東京オートサロン2021」(千葉県・幕張メッセ)が中止されたものの、出展予定だったダイハツは、4台のカスタマイズカーをメディア向けに同社東京支社(東京都中央区)で披露した。まずは2シーター・オープンの「コペン」をもとにした「スパイダーVer.」を紹介する。 【写真を見る】コペン・スパイダーVerの詳細(17枚)
ルーフレス仕様
ダイハツは毎年、東京オートサロンに個性的なカスタマイズカーを展示する。近年では、2018年に往年の「シャレード・デトマソ」を彷彿とさせるエアロパーツを装着した「ブーン」や「ミライース」を、2019年は「コペン」をもとに固定式のカーボンファイバー製ルーフを持つ「コペン・クーペ」を、2020年は「ハイゼット・トラック」の荷台をDJブースにした「DJ Ver.」などを展示した。 今年も「コペン」「ハイゼット」「タフト」「トール」をもとに個性的なカスタマイズ・カーを仕立てた。 コペンをもとに開発されたのは「スパイダー Ver.」だ。丸目のヘッドライトが特徴のグレード「セロ」をもとに、より爽快感を味わえるようカスタマイズが施されている。 エクステリアには、専用デザインの前後バンパーやリアのカウル、小型のフロントスクリーンを装備。アルミホイールはRAYS社製になる。コペンの特徴的装備である電動格納式メタルトップは取り外され、ルーフレス仕様になった。 インテリアはイタリアのサベルト社製シートを専用装備。シフトノブはダイハツ社のカスタマイズを手がける「D-SPORT」社製だ。ルームミラーはダッシュボード上に移された。助手席を覆う専用カバーも備わる。
「“ファン”なクルマです」
開発を手がけたダイハツ工業デザイン部第1デザイン室の米山知良氏によれば「1950年代のイタリアのレーシング・マシンをイメージしました」とのこと。 スパイダー化によって、車両重量は約100 kg軽くなったという。搭載するエンジンは、ベースモデルとおなじく658cc直列3気筒ガソリンターボ・エンジンで64ps(6400rpm)/92Nm(3200rpm)を発揮する。トランスミッションは5速MTだ。駆動方式はFWD(前輪駆動)。 コペン・スパイダーVer.は、走行可能なコセンプトモデルで、同社の公式YouTubeチャンネルには走行シーンのムービーがアップされている。米山氏は「風を気持ちよく感じられます。“ファン”なクルマですね」と話す。 市販化の予定はいかに? 米山氏は「専用装備が多いのでハードルは高いかもしれません」と、述べる。スパイダーVer.は、コンセプトモデルなので、車検取得までのことを考えて設計・開発されたわけではないという。 ちなみに、かつて東京オートサロンに展示された「コペン・クーペ」は、200台限定で市販された経緯を持つ。スパイダーVer.も反響次第では、市販される可能性があるかもしれない。
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)