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五輪延期「潮目変わった」 苦渋のサッカー女子W杯撤退 「玉砕」避けリーグ充実へ

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毎日新聞

 急転直下の方向転換だった。日本サッカー協会が22日、2023年女子ワールドカップ(W杯)招致から撤退すると発表した。女子日本代表(なでしこジャパン)の11年W杯ドイツ大会優勝による「なでしこブーム」が陰る中、「起爆剤に」(須原清貴専務理事)と期待したが、オーストラリアとニュージーランド(NZ)の共催案が有利な情勢。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた東京オリンピックの1年延期も逆風となった。 【写真特集】惜敗…オランダ戦を写真で振り返る サッカー女子W杯  開催地を決める国際サッカー連盟(FIFA)理事会は25日に迫っていた。田嶋幸三会長は「最後まで玉砕することも議論した。日本がゼロ票かもしれない。そうなればインパクトは計り知れない」と撤退理由を語った。  FIFAが10日に公表した評価報告書では共催案が5点満点中4・1点で、日本は3・9点、コロンビアが2・8点。日本は宿泊施設や交通機関の充実が高く評価された。ただ、オーストラリアとNZは女子W杯で初となる共催をアピール。150万枚のチケット販売を見込み、政府による財政支援も取り付けて商業面でリードし、アジア勢を中心に支持を固めた。当初名乗りを上げていたブラジルが今月8日に撤退を表明し、南米勢はコロンビアに一本化した。競技普及面でも1991年の第1回大会(当時は世界選手権)と07年の第5回大会は中国で開かれており、南半球初、南米初に対するアピールは不足。東京五輪が21年になり、主要大会を短期間で開催することへの反発もあり、田嶋会長は「潮目が変わったのは、五輪が1年ずれたこと」と明かした。  なでしこジャパンは12年のロンドン五輪で銀メダル、15年のW杯カナダ大会で準優勝し、国内リーグの人気も一時上昇した。ただ、欧州各国で女子の強化が進む中、日本は16年リオデジャネイロ五輪の出場を逃し、19年W杯フランス大会は16強止まりだった。  再起を目指し、日本協会は21年秋に女子のプロリーグ「WEリーグ」をスタートさせる。田嶋会長は「リーグと東京五輪の成功に集中できる。女子サッカーの発展を考えての決断を理解してほしい」と力説したが、大きなチャンスを失ったのは事実だ。【大谷津統一】

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