コーヒー1日3~5杯の健康効果 脳卒中・肝がん・2型糖尿病のリスク低下など ポリフェノールの力をネスレ日本が発信
ポリフェノールは多くの植物に含まれ、植物が自然環境から身を守る生体防御また種の保存に必要な成分として知られている。 これを食生活に上手く取り入れれば、大量生成されたときに様々な病気の要因となる活性酸素の働きを抑えることができる。 ネスレ日本は26日、食生活が乱れがちな年末年始に向けてポリフェノールの健康効果を伝えるメディア向けセミナーをオンライン・ライブ配信形式で開催した。 講師を務めた医学博士でお茶の水大学の近藤和雄名誉教授は、動脈硬化による疾患はポリフェノールで抑えられることやポリフェノールは主に飲み物から摂取されていることを指摘した。 コーヒーを3杯以上飲んでいる人は脳卒中や2型糖尿病リスクが低いという。 摂取源については「食べ物と飲み物を比べると、飲み物から7、8割、食べものから2、3割の比率でポリフェノールを摂取していることがわかっている」と語った。 約8000種類以上あるといわれているポリフェノールの中で、日本人のポリフェノール摂取はコーヒーからが47%を占めることにも触れた。
農学博士でネスレ日本の福島洋一ウエルネスコミュニケーション室室長は“コーヒー1日3~4杯の継続的飲用が総死亡リスク低下と関連する”とした日本人9万人を対象にした18年間に及ぶ研究発表を紹介した。 肝臓への作用については、国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC研究)を引き「コーヒー飲用は肝がんリスクをほぼ確実に下げる」と述べた。 コーヒーとアルコール摂取のγ-GTPへの影響を調べた横断調査にも触れ「コーヒーを飲んでいる人はγ-GTPの上がり方が低いことが示された」と語った。 コーヒー1杯には約300mgのポリフェノールが含まれ、推奨されるポリフェノール1日摂取量の目安は 1000~1500mg以上。 「摂取できるポリフェノール量はコーヒーの焙煎方法や形態では大差がなく、コーヒーの杯数で1日3~5杯が適量。5杯以上飲んでも問題ないが、カフェインの摂取は国際的に1日400mg程度とされている」と説明した。 ポリフェノール摂取能力については「個人差の研究は進んでいないが、大きな問題にはならないと予想しながら研究に注視していきたい」との考えを示した。 なお近藤教授が理事を務める日本ポリフェノール学会は11月26日を“いい・ふぇのーる”の語呂で「ポリフェノールの日」と制定し登録された。