スピーチの専門家が語る、会議やプレゼン中にアクシデントが起きたときの対処法
先日行われたアメリカ副大統領候補の討論会の見どころは、ハリス上院議員の怒った顔と、ペンス副大統領の頭で休息をとることにした一匹の「ハエ」でした。 Twitterは、またたく間に、ハエにちなんだミームやコメントで溢れかえり、討論会が終わった後も、ニュースや報道番組のおかげで、ハエはスポットライトを浴び続けていました。 さながら、ハエに気づかなかったのは(気づかないふりをしていたのかも)、ペンス氏ただ1人だけという有様です。 スピーキングコーチ兼コミュニケーションコンサルタントのNeil Gordon氏は、起業家向けの記事の中でこの出来事に言及しています。 同氏は、記事の中で「アクシデントに聴衆の気がとられているときに、話し手はどうしたらいいか?」という問いかけを行ない、自ら答えています。 Gordon氏の答えは、アクシデントを手懐ける、というものです。
アクシデントを“手懐ける”方法
ほとんどの人は、全国にテレビ中継されたり、世界中にライブストリーミングされるような討論会に参加することはないでしょう。 しかし、ここ半年を考えれば、Zoomを使った会議やプレゼンテーションで、カメラの前に姿を晒す機会が増えているはずです。 こうしたWeb会議が、たいていは自宅にいるときに行われることを考えると、何らかのアクシデントが起きる可能性は決して少なくはありません。 子どもが話しかけてくる、犬が吠える、近くの建設現場からハンマーを打ち鳴らす音が聞こえてくるなど、会議やプレゼンテーションの最中に、参加者の注意を引くようなアクシデントが起きることは大いに考えられます。 Gordon氏は、そんなときにできる最善の行動は、アクシデントが起きていることを認め、それを自分が話したいテーマに組み込んでしまうことだと言っています。 たとえば? 同氏は次のような例を挙げています。 今年の目標を達成することについて話している最中に、子どもが画面内に乱入してきたとします。 そんなときは、子どもを追いやるかわりに、子どもの肩を抱き、その子が過去に言ったりやったりしたことで、目標に向かって最後までやりきることの重要性を思い出させられたというエピソードを、ごく簡潔に話しましょう。
この対処法のポイントは?
ポイントは、Zoom会議中に、ユーモアを使って、異変が起きていることに気づいていることを示すとともに、プレゼンテーションをより効果的なものにしてしまうという点です。 アクシデントは人々の注意を引きます。笑いさえ誘うかもしれません。 それでも、熟練のスピーカーなら、そんなアクシデントを手懐けて味方につけてしまうのです。 Image: Pra Chid/Shutterstock.com Source: The New York Times, Entrepreneur Elizabeth Yuko - Lifehacker US[原文]
伊藤貴之