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まもなく開かれる相模原事件初公判 「内なる優生思想」に私たちはどう抗うか

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BuzzFeed Japan

植松被告を肯定する空気が大手を振るってきた

ーー「自分とは別世界のモンスターがやった」と捉える人が多い中、雨宮さんは他人事ではないとして、「内なる優生思想を見つめる」ことをテーマに対談集を出しています(岩永も参加)。なぜそのように捉えようと思ったんですか? 「やっぱり植松被告の考え方を否定できないよね」という世論が、堂々と幅をきかせてきたことに危機感を感じたのです。 「少子高齢化で財政が苦しくなる」とか、「こんなに社会保障費がかかっている」ということを理由に挙げ、今の日本は少ないパイを奪い合う状況なのだから費用対効果を考えてより投資の効果が出るところに投資すべきだという価値観の方が大手を振るうようになってきました。 同時に、「どんな命でも大切で平等」という思想がバカにされ始めていることも感じていました。反貧困運動を14年続けてきましたが、事件当時、「人の命を財源で語るな」というスローガンが、社会の中で全然通用しなくなってきたのを感じていました。 前はそれなりの共感を得ている実感があったのですが、事件の前ぐらいから、そういう言葉を発すると「偽善者」「現実を見ていない」「お前は財政のことを何もわかっていない」と罵倒されるようになったのです。 ーーそんな言葉の通じにくさはいつ頃から始まったのでしょう? 安倍政権が始まって、2013年から生活保護が削減され始め、当時は「人の命を財源で語るな」と声をあげていたのですが、その翌年ぐらいからでしょうか。その後、生活保護を受けている女子高生に対する「貧困バッシング」もありましたね。 ーー2016年8月に放映されたNHKのニュース番組で「子どもの貧困」特集に出た女子高生が、色々なグッズを持っていると叩かれた件ですね。 あの頃から、貧困当事者に対しても、「お前の貧困は大したことがない。清く正しく美しい貧困者であることを証明しろ」と叩く抑圧がすごく強くなりました。「お前なんかより大変な人はたくさんいる」という態度です。

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