脳の活性や自己肯定感アップになる<自分史づくり> 夫の会社倒産や病気、戦争体験…人生の挫折や失敗を受け入れるきっかけに。自分史活用アドバイザーが解説
「長い文章を書くのは苦手」「私の人生、特にドラマチックでもないし」と思い込んでいませんか?自分史づくりのプロは、「女性にこそ、これまで歩んできた道を書き残してほしい」と語ります。気負わず、気軽に始められるコツを聞きました(構成=山田真理 イラスト=tomoto) * * * * * * * ◆取り組むタイミングは人それぞれ 自分史とは、個人が自分の半生を振り返り、歴史を文章に綴るものです。著名人や功成り名遂げた人だけのものではなく、作り方や表現方法に決まりもありません。 私は、自分史の魅力とメリットを伝え、皆さんの自分史づくりをサポートする「自分史活用アドバイザー」として、2012年から活動を始めました。現在は横浜で月1回、自分史サロンを開いて、さまざまな人の自分史づくりをお手伝いしています。 私のサロンでは「自分のイメージに合ったものを作りましょう」とおすすめしているため、多様で個性あふれる自分史が次々に生まれてきました。 自分史づくりに取り組むタイミングは人それぞれです。若い人なら社会へ巣立つ時や、家庭を持った時など。子どもや孫、ひ孫が生まれたタイミングで、家族のルーツを見つめ直したいと考える人もいます。 『婦人公論』世代だと、銀婚式や金婚式、あるいは喜寿・傘寿・米寿などの記念日をきっかけに始めるのもよいでしょう。最近目立つのは、年老いてきた親の自分史を、子どもや孫が作るケース。長く仕事を続けてきた人がリタイアを機に書くことも少なくありません。 たとえば60代のAさんは、「子どもたちが巣立ち、寂しくて」と、自分史サロンに参加されました。18歳で結婚し、夫の連れ子と自分の子ども合わせて11人、毎日一升のお米を炊いて必死に育ててきたそうで、夫の会社倒産、起業、起業した会社の倒産、夫の病……と、怒濤の人生をまとめ上げました。 Aさんは、「いろいろあったけれど頑張ってきた自分」を確認できたのでしょう。周囲の人に「あなたも書いたほうがいいわよ」とすすめるまでになりました。
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