「日本なくしてNVIDIAはなかった」 フアンCEOが語った真意は?
来日中の米半導体大手NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは11月13日、都内で主催した自社イベントで「日本はこれまでテクノロジーの分野で遅れていたが、AIを活用すればリセットできる」と話した。 【写真を見る】約8兆5000万円! 今年に世界で最も資産を増やしたフアンCEOの経歴 「AIと日本の優れた製造業、ロボット技術を合わせれば、日本は新しい産業革命を起こせる」と述べ、日本が持つ可能性に対して強い期待感を表明した。「日本はパートナーとしてとても大切な存在で、日本という国がなければ、NVIDIAは今日ここに存在していなかった」と指摘。今後も日本企業と幅広く協業していく方針を明らかにした。
安川電機、川崎重工、キヤノン、富士フイルム 日本企業と連携した内容は?
フアン氏は「AIを活用することで日本にエコシステムが生まれ、新しいテクノロジー産業が生まれる」と予想。それを生みだしているのが「CPU(中央演算装置)とGPU(画像処理半導体)の新しい組み合わせによるアプリケーションだ」と述べた。 NVIDIAが開発した新しい画像装置にも触れた。 「次世代画像装置『Blackwell』(ブラックウェル)により、データ処理を大幅にスピードアップ、スケールアップさせられる。1秒間に8テラバイトのデータ処理ができ、しかも電力消費が少ない」と従来製品より優れていることを強調。これを活用すれば「全く新しいファクトリー(工場)が生まれ、新しい産業革命が起きる」とAIの進化によってもたらされる新時代の幕開けを予想した。 フアン氏は、イベントの冒頭でゲーム会社のセガサミーホールディングスや任天堂と協業してきた歴史を紹介。今後も「日本企業と連携し、アドバンテージを取っていく非常に重要な時期だ。これまで日本のソフトウェア技術は過少評価されてきたが、いまそれがリセットされる時になっている」と話し、日本とのさらなる連携に期待感を強めた。 NVIDIAはこれまでに、ソフトバンクに加え楽天、富士通、NTT、米Kotoba Technologie(コトバテクノロジーズ)など多くの企業と連携、協業をしてきている。