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中野信子が語る「毒親」という存在について。

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VOGUE JAPAN

昨今、毒親という言葉をよく耳にする。私は毒親なのかもしれない。もしくは、毒親に育てられたと思う。──そんなことが一瞬でも頭をよぎったことがあるあなたへ。中野信子がその定義とともに向き合い方を解説してくれた。

親に対して抱く憎しみや恨みといった強い感情からいつまでも逃れられない「毒親育ち」の苦しみに、脳科学の視点から光を当てた本、『毒親: 毒親育ちのあなたと毒親になりたくないあなたへ』(ポプラ新書)が3月に発売された。著書である中野信子に、脳科学、心理学の知見を引きながら親子関係をこじらせる背景を聞いた。 ――脳科学者の中野さんが毒親に関する本を出されると聞いて少し意外でした。どんな動機があったのですか? これは、ずっと書きたかったテーマでした。「毒親」ということばはメディアでもたびたび話題になりますし、親子関係をこじらせているという話は身近でもよく聞きます。コミュニケーションがうまく行かない人、過剰にうまく行っていると不自然なほどアピールする人、どちらもいますよね。「健全」な親子なんているのだろうかと疑問に感じられるくらいです。 一方、動物界に目を転じると、親離れ子離れはきちんと行われるのです。ほ乳類は卵生の動物などに比べると、子どもが自立するまで長い時間がかかり、親子のコミュニケーションの密度が濃いという特徴はたしかにあるんですが……。そのなかで、人間だけがこんなにこじらせてしまうのはなぜなのか、興味がありました。 ――親子関係をこじらせやすいのは、人間ならではの問題なんですね。 今に始まったことではないんです。子どもとの関係をこじらせている親もまた、かつては子どもであった、こじらせた子どももまたいつか親になる――そういう形で現在に至る歴史の中に私たちもいます。虐待されて育った人物が残虐な指導者がになったりといった事実を見れば、親子関係のきしみが人間の歴史のきしみに出ているのかとも思えますよね。

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