ラリージャパンで無許可車両がコース侵入 大会実行委員会は被害届提出へ 豊田市長の太田稔彦会長「警備スタッフ5人の制止振り切った」と遺憾の意
◇23日 世界ラリー選手権最終戦ラリージャパン第3日(SS10~16、愛知県豊田市、岐阜県恵那市など) ラリージャパン実行委員会は23日、岐阜県恵那市で行われた競技区間「SS12」で無許可の車両がコース内に侵入して競技が途中でキャンセルになった問題について、詳細を発表し、今後の対応として管轄する岐阜県警恵那署に被害届を提出すると発表した。事案が悪質と判断されれば、訴訟問題にまで発展しかねない事態となっている。 同委員会によると、発生したのは同日午前10時34分ごろ。一般車両1台が競技コースに通じる検問所で一時停止し、制服警備員を含む現場スタッフ5人が運転手に対し通行証の提示を求めたところ所持していなかったという。そこでラリー競技が開始され、交通規制を実施している旨を伝えたところ、一般車両の運転手は車を急発進させ検問所を突破し、そのまま競技コース内へ進入した。 その後、7番目のスタート順だった選手が待機しているスタート地点まで一般車両が進入。現場スタッフが競技コース外へ車両を移動させるよう依頼したところ運転手が応じず、十数分間にわたってその場にとどまり続けたことから競技のキャンセルに至った。大会関係者によると、車両は関東地方のナンバープレートがついたワゴン車で男性が運転していた。 愛知県豊田市長でもある大会実行委員会の太田稔彦会長は「この度、警備スタッフ等5名の制止を振り切り交通規制エリア内に一般車両が進入したことについては、極めて遺憾であります。多くのファンが楽しみにしていたSS12がキャンセルになった事態を重く受け止めています」とコメント。さらに「引き続き、周辺地域の皆様、競技会場付近を通行予定の皆様には御迷惑をおかけしますが、御理解のうえ現場スタッフの指示には必ず従っていただきますよう、改めてお願い申し上げます」と協力を求めた。 2022年の大会では一般車が競技中のコースに進入し、逆走。ラリー車両とあわや衝突の緊急事態に直面したことがある。
中日スポーツ