大迫外しと上田起用…剛腕・森保監督の「次なる世代交代」、W杯出場決定後に試される「新戦力」と「新戦術」【2025年サッカー日本代表「3つの試練」】(1)
■「新戦力の発掘に消極的」批判も…
「森保監督は新戦力の発掘について消極的だ」と批判をする人もいるが、これは大きな間違いだ。森保監督は、これまでにも「剛腕」ともいえる手法で世代交代を図ってきた。 たとえば、2022年のワールドカップ・イヤーには、それまで日本代表のセンターフォワードとして君臨してきた大迫勇也をメンバーから落とした。最初は負傷によるパフォーマンス低下が原因だったが、大迫が復調しても再び招集することなく、カタール大会では前田大然を中心に、固定したCFなしで戦った。 ワールドカップ後にも「大迫待望論」があったが、森保監督は上田綺世を使い続け、2024年に入ってようやく上田が日本のCFとして独り立ちすることができた。森保監督はオリンピック・チームの頃から上田を起用しており、長期的な展望を持って上田を使い続けていたのだろう。 鈴木彩艶の抜擢も、相当に強引だった。 カタール大会まではベテランの権田修一を使っていたがワールドカップ終了後、若手に切り替え、そして、2023年後半から鈴木を起用し始めた。 2024年1月のアジアカップでは不安定なパフォーマンスで鈴木が失点に絡むことが何度かあり、鈴木は批判の矢面に立たされた。しかし、それでも森保監督は頑固に鈴木を使い続けた。そして、2024年夏にイタリア・セリエAのパルマに移籍して正守護神となったことで鈴木が急成長。人々は、アジアカップでの鈴木の起用に対して批判していたことを忘れてしまったようだ。 新戦力を発掘すべきポジションでは、森保監督はかなり強引に新戦力を組み込んできた。そのことは、上田や鈴木の例から明らかだろう。
■「主力の欠場」で新戦力が台頭
こうした、戦略的な新戦力の組み込みと並んで、自然発生的にメンバーが更新されることもある。 アジア最終予選で、日本代表のセンターバックは板倉滉、谷口彰悟、町田浩樹の3人で固定されている。30歳を過ぎた谷口がますます安定感を増し、若手の町田が左サイドでの攻撃へのつなぎの仕事を見事にこなしたりと、想定以上のパフォーマンスを続けている。 このメンバーで戦うことになったのは、冨安健洋が故障の連続のため、ほぼ1年間プレーできない状態が続いたからだ。こうして、「主力の欠場」という偶然の産物として新戦力が台頭することもある。 そして、若手の成長が新陳代謝を起こすのが理想的だ。 たとえば、その安定した3バックだが、来年のワールドカップ本大会でも同じメンバーで戦うことになるとは限らない。冨安が復調すれば、やはり守備の軸となるだろうし、若手の高井幸大やチェイス・アンリが経験を積めば、彼らがレギュラー入りする可能性もある。なにしろ、フィジカル面を含めて彼らの潜在能力は現在のメンバーを上回るものがあるからだ。(2)に続く。
後藤健生
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