一人っ子の二次相続で「相続税が高くなる」ワケ。税負担軽減に効く「生前贈与」の方法、税務署に提出が必要な書類は?
一人っ子の相続というと、揉め事が起こりにくく手続きもシンプルで、スムーズにいくイメージがあります。ですが、二次相続の際には、一人っ子の方が相続税が高くなってしまうことをご存じでしょうか? 本稿では、一人っ子の二次相続で相続税の負担を軽減する対策方法について、詳しく解説します。 都道府県「遺産相続事件率」ランキング…10万世帯当たり事件件数<司法統計年報家事事件編(令和3年度)>
二次相続とは? 一次相続との違いを解説
子どもから見て、両親のうちどちらかが亡くなったときに発生した相続を一次相続といいます。その後、もう片方の親が亡くなったときに発生した相続を二次相続といいます。 被相続人に配偶者と子どもがいる場合、一次相続の際の相続人は被相続人の配偶者と子どもですが、二次相続の際の相続人は子どもだけです(子どもから見て両親共に亡くなっているため)。
一人っ子の二次相続では何故相続税が高くなる?
一人っ子の二次相続で相続税が高くなるのには、以下のような理由があります。 ・相続税の基礎控除が少なくなるため ・相続税率が高くなるため それぞれ解説します。 相続税の基礎控除が少なくなるため 相続税には3,000万円+法定相続人の数に応じた基礎控除があります。例えば、法定相続人が2名の場合の控除額は以下のとおりです。 3,000万円+(600万円×法定相続人2名)=4,200万円 この場合、相続財産が4,200万円までであれば相続税はかかりません。4,200万円を超える場合は、超えた部分に対して相続税がかかります。 このように、基礎控除額は単純に相続人の数が多ければその分高くなります。そのため、どうしても相続人が少なくなる一人っ子の場合、相続税が高くなりやすいのです。 相続税率が高くなるため また、一人っ子の二次相続で相続税が高くなる理由には、相続税率が高くなることも挙げられます。なぜなら相続税率は法定相続分に応じて税率が高くなるためです。 相続人が多い場合は1人あたりの法定相続分は少なくなりますが、一人っ子のように相続人が少ない場合は、1人あたりの法定相続分が多くなり、その分税率が上がってしまいます。そのため、相続財産額によっては高額な相続税が発生してしまう可能性があります。