「常勝ジャイアンツ」背負う覚悟…坂本勇人・菅野智之・長野久義が語る信条
――次世代の選手に、受け継いでほしい思いとは。
「昔は『ジャイアンツプライド』という言葉があった。今の若い子たちにも持っていてほしいし、強い巨人軍であり続けてほしい。そういう自覚や、相手を見おろすぐらいの気概を持った選手が出てきてほしいな」
チーム最年長40歳 長野久義
痛みに耐え、試合出続け
<小学5年の文集で「ぼくはジャイアンツにドラフト1位で指名されました」と未来を予想した少年は、長じて夢をかなえることになった。ドラフト指名を2度断り、2010年に入団。走攻守に優れ、1年目は新人王、2年目は首位打者。その後も主力として活躍し、チーム最年長となった長野が語る>
変な勘違いかもしれないけど、飛ばすことには結構自信があった。それでも、すごいメンバーのチームに入ったと思いましたよ。1年目の開幕戦は、由伸さんが腰のケガ明けとはいえ8番打者。4番を打てる人がたくさんいた。でも、やらなきゃいけない、それが一番だった。大学、社会人と2度ドラフトを断っているので、絶対結果を残すしかないと。
色んな先輩の姿に影響を受けました。原監督もそう。プロ野球選手とは、とよく言われた。「チームを代表して出てるんだから、三振しても堂々と胸を張って帰ってこい」とね。なかなかできなかったけど(笑)。
僕の中で一番すごい記録は連続試合出場です。衣笠祥雄さん(広島)や金本知憲さん(阪神など)、鳥谷敬さん(同)、勇人もそう。どんなに気をつけても毎日出ていればケガはする。痛い中でも試合に出続けるのはやっぱりすごい。僕もそうしてきたつもりです。
最も印象深いのは、4勝2敗で制した12年の日本シリーズです。第5戦で右膝に死球を受けた。痛くて痛くて、もう無理かと思ったけど、痛み止めの座薬を入れ、口からも薬を飲んで第6戦は出た。1番で、初回はヒット、2打席目はホームラン。後で映像を見ると、河村亮さん(日本テレビアナウンサー、故人)が「右膝の痛みをものともせず――」と実況してくれていた。うれしかったな。