ヒロシさんは7年前に転機を実感 地方で女性に「YouTube、見てますよ」と言われた衝撃
【その日その瞬間】 ヒロシさん(芸人/50歳) YouTubeでのキャンプ動画でソロキャンプブームを起こしたヒロシさん。安定した人気で登録者数は110万人超を誇る。人生のターニングポイントとなった瞬間はもちろんYouTubeを始めた時。自分の趣味を思い出として残すために始めてみただけだったが……。ピン芸人としてブレークした後、仕事が減った時期を経て再びテレビに登場するようになり始めた2015年のことだった。 沢尻エリカがキャンプ場経営? コロナ禍らしい復帰計画も ◇ ◇ ◇ その頃は「しくじり先生」(テレビ朝日系)とかに出ていました。芸人の仕事とは別に趣味のキャンプをYouTubeにアップしようと考えたんです。今思えばこれが僕のターニングポイントでした。 でも、YouTubeで人気を得ようとはまったく考えていませんでした。もしYouTubeを仕事にしようと思ったら、ネタの動画をあげていたと思います。 僕は一人が好きですから、自分一人で好きなキャンプに行き、自分で動画を撮って自分で編集し、投稿する作業がただ楽しかったんです。だれも見ないだろうと思っていましたし。自分で作った動画を自分で見るのも好きでした。 ところが、ジワジワと登録者数や再生回数が増えて、予期せぬ広がりを見せ始めたんです。 ある時、芸人の仕事で地方に出かけた時、一人の女性から「YouTube、見てますよ」と言われたんです。 この一言が衝撃でした。今ではYouTubeを見るのが当たり前ですけど、7年前当時は「見てますよ」と言われる場合、圧倒的に「テレビ見てますよ」の時代でしたから。 それから徐々にキャンプ番組などキャンプ関連のオファーが芸人の仕事より多くなってきて。でも、YouTubeは遊びの延長という感じを崩しませんでした。それでお金がもらえるって、もちろんいいな! とは思いましたけど。 その一人の女性からの「YouTube、見てますよ」という一言は、もうひとつのターニングポイントでもありました。そう声をかけられた時に「これはYouTubeが大きく広まるのではないか」と感じたんです。 始めた時は僕自身、YouTubeに対してタレントの参入は疑問視されるだろうと思っていましたが、体感してみるとすぐに良さに気づきましたし、「見てますよ」と言われ、なんてすごい媒体なんだ! と思いました。 ■あくまでキャンプ動画は楽しく遊び感覚 でも、それで「YouTubeを頑張ろう」となったわけじゃなくて僕はあくまでキャンプ動画は楽しく遊び感覚で作っていて、僕のこととは別にYouTubeというものがこれから大きく広まるんだろうな、とは思っていました。 だから、芸人の仲間たちに「YouTubeやってみたら?」と軽く勧めたのですが、大多数は「ふ~ん」という感じで、始めなかったですからね。すぐに始める人と、あとになってコロナ禍くらいに始める人と2通りに分かれていましたね。 コロナ禍だからYouTubeをやる人と見る人が増えたとよくいわれますけど、僕はコロナ禍がなかったとしても、増えたと思います。そのくらいすごい媒体だと思いましたから。だから「他のタレントさんでやる人が増えてくるだろう」とは予感していました。