昨年度の広告換算額は1億3000万円! 「金田一」「ツユクサ」のロケ地・西伊豆町にオファーが絶えない理由
現在放送中の人気ドラマ『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)のロケ地・静岡県西伊豆町で、大きな経済効果が生まれている。 同町がロケ地に選ばれるきっかけとなったのは、映画・ドラマのロケ地巡りを推進し地域のファンを作ることを目的とした「ロケツーリズム協議会」。そこで開催された、自治体と映像制作者を引き合わせる首長参加の「トップマッチング大会」に西伊豆町の星野淨晋(じょうしん)町長と、『金田一少年の事件簿』の制作部が参加していた。 西伊豆町は静岡県の伊豆半島西岸に位置する、人口約7200人のまち。日本全国に数多あるロケーションの中から、なぜ西伊豆町が選ばれたのだろうか。
「金田一」で800万円の経済効果
西伊豆町がロケ地になったのは、5月8日、15日に放送された「聖恋島(せいれんとう)殺人事件」の回。聖恋島の船着き場や、金田一(道枝駿佑)一行が宿泊するコテージのセットが、穴場スポットとして知られる田子瀬浜海水浴場に建てられた。水の透明度が高く、シュノーケリングに良い環境だと評判の場所だ。 同町では3年前に、撮影をサポートする組織「ロケさぽ西伊豆」が始動。ロケハンの同行、撮影隊のエネルギー源であるロケ弁の豊富な取り揃えなど、あらゆる方面からロケを支えている。 そして西伊豆町の星野町長は昨年11月のトップマッチング大会に参加し、町長自らロケーションをアピール。制作部は町長やロケ担当者の熱意に感動し、撮影にいたったという。 結果、セットとは思えないほど立派な造りのコテージや桟橋の建て込み、キャスト・スタッフの宿泊費や食費で、総額800万円の経済効果を算出した。 同町にはこの2020年4月~2022年3月の間に200件以上もの問い合わせがあった。うち決定数は20年度が約30件、21年度が約80件と前年に比べ2.5倍以上に延び、21年度のメディア露出による広告換算額は1億3000万円にものぼるという。現在公開中の映画『ツユクサ』でもメイン舞台となるなど、制作者からの信頼関係を着実に築きあげている。