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急患がまさかのコロナ クラスター発生、院内感染の教訓

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西日本新聞

 「患者は平熱。コロナとは疑わなかった」。新小文字病院(北九州市門司区)の白石慈一事務長(36)が、かつてない緊張に包まれた数カ月前の日々を振り返る。 【動画】「涙が出た」コロナ終息願う動画、ネットで話題に  3月16日夜、階段で転倒した80代男性が救急搬送されてきた。男性は左目を切るなどの外傷があったが、熱はない。高度治療室(HCU)で処置を受け、そのまま入院することになった。  数日後、男性は発熱。しばらく上がり下がりしたものの、当時の相談目安とされていた「37・5度以上が4日以上」には至らなかった。一変したのは29日ごろ。38度以上が続き、コンピューター断層撮影(CT)で調べると、肺炎らしき影が見えた。「まさか…」  PCR検査で男性の新型コロナウイルス感染が分かり、医師や看護師ら19人も次々に感染が判明。同院は31日夜から約1カ月、新規外来や急患の受け入れを休止した。福岡県で初めての病院でのクラスター(感染者集団)発生だった。  「3月中旬は県内の感染者は少なく、男性の発熱は転倒の影響と考えた。職員の対策はマスク着用など一般的なもの。防御は甘かった」と白石事務長は言う。  同院は再発防止に向け、感染の疑いがある人の動線を分ける「ゾーニング」を徹底。入り口で看護師が検温し、発熱患者は外に造ったプレハブの「特設外来」で診察する。救急患者も熱があれば救急搬入口近くのベッドに運び、周囲は感染防護をした職員以外の立ち入りを禁じている。  感染者には無症状の人が少なからずいる。受付にはカーテンレールと釣り糸で透明のシートをつるし、飛沫(ひまつ)対策を講じた。患者と接する職員は医療用マスクやゴーグル、長袖ガウンを着用。医療資材の品不足に備え、普段はシャワーキャップやポリ袋を使った手作りガウンを身に着ける。「暑い日は、ビニールが汗で体にまとわりつく。自作にも限界があるが、今では無症状の感染者がいてもある程度対応できる」。感染管理認定看護師の小塙隆広さん(46)が説明する。  同院で感染者発見の決め手となったのはCTだった。もし、CTに兆候が表れなかったら-。

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