「スタート前の練習パットでのモットーは、パットでの不安を本番に持ちこまないということや」【“甦る伝説”杉原輝雄の箴言集⑰】
サンドウェッジの限界距離を知る
ーー「バンカーショットでホームランがこわいのは、サンドウエッジのフルショットの距離を知らないからや」 バンカーショットで上手くなる法は? と、よく聞かれるんですが、まずコースでバンカー練習場があったら、ラウンド前、後にかかわらず必ず練習してきたほうがええでとアドバイスします。というのもアマの方はプロと違い、バンカーの練習は1年を通じてほとんどやらんのが普通やろうから、そういう機会に何十球かでもやれば、1年間分の練習になるってわけです。 それでもう一つのアドバイスは、自分のサンドウエッジ(SW)でのフルショットの距離を知りなさいということです。というのも、バンカーショットは思い切りが必要なんやが、ホームランを恐れすぎる人が大半なんです。本当はダフリがいちばん怖い。なぜなら脱出できないからです。ホームランなら出ることは出ます。同じミスでもまだましやろ。 SWのフルショットが50ヤードくらい。もしホームランしても最大50ヤードくらいのもんだと知ってほしいわけです。バンカーでの基本は、スタンスはオープン、ウェイトは左足四分・右足六分、ボール位置は左足踵線上です。クラブヘッドはボールの3~5センチに打ちこみます。間違いやすいのはボール位置で、真ん中や右足に寄ってくると、ボールは上がりにくくなり、高いアゴなどフェースを開いてもクリアできなくなりますので、注意が必要です。 バンカーで打つアドレスができたら、あとはシンプルに思い切って打てば、そんなに難しくないショットです。自信が成否を左右するショットですが、思い切って打つことを覚えれば、その自信が醸成されてきます。それにはホームランを恐れない心構えが必要という次第なんです。 文/古川正則(ゴルフダイジェスト特別編集委員)
みんゴル取材班
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