モナカじゃない!?「究極のゼロ戦」キット生みの親は愛知の企業「いかに実機がスゴかったか感じて」
実機を意識した部品の完成度が魅力
模型メーカーのファインモールド(愛知県豊橋市)が手掛ける「1/48 帝国海軍 零式艦上戦闘機五二型(三菱製・中期型)」と「1/48 零式艦上戦闘機五二型(中島製)」が2024年12月6日以降、順次出荷されます。 【画像】おお、本物そっくり! これが実機と模型の胴体の比較です。 このふたつの製品は、今年(2024年)10月11日から13日まで東京ビッグサイトで開催されていた「第62回 全日本模型ホビーショー」でも大きな話題を集めていました。実はこの2種類のキットは、実機の再現度を重視するため、特殊な方法で製造されたキットになっています。 全日本模型ホビーショーでファインモールドの担当者にハナシを聞いたところ、この2製品に関して「いま、自分たちにできる最高の零戦を作った」と答えてくれました。また、「零戦が当時の日本にとってどれほど画期的な機体だったか感じてもらえれば」とアピールもしていました。 このように、メーカーのスタッフが太鼓判を押す同製品の大きな特徴が、第二次世界大戦時の戦闘機プラモデルでは定番である、まるでモナカのごとく胴体左右で割れるパーツ構造を廃して、実機のような前後で分割する構造を再現している点です。この設計により左右接合だと目立つ合わせ目などが出ません。加えて胴体後部は、スライド金型という特殊な金型を用いて成形していることから、一体感のある実機のような仕上がりとなっています。 ほかに注目なのがコックピット部分で、キャノピーはガラス部と窓枠とで別パーツ化しています。これは従来の戦闘機のプラモデルではなかったことで、塗装のしやすさとリアリティの両立を実現しており、今までの飛行機プラモデルの常識を覆すものになっています。 さらに、主翼が一体型になっているのも大きな特徴です。この一体化により、胴体に接着する旧来の模型と違い、主翼の自重でゆがまず、実機に近い状態が再現できます。 なお、こうした細部までのこだわりは維持しつつも、新しいキットらしく作りやすさにも配慮されています。また、エンジン部分なども完成度にこだわっていることから、担当者は「あえて、完成させずにバラバラの状態でも飾れるようにしています」と話していました。
斎藤雅道(ライター/編集者)