夏の大会初戦敗退なのに「新入部員が30人超え」の公立校 千葉県立四街道高校の先進的な指導方針に目を疑う
1年生に「四街道高校」に入った理由を聞いてみた
今年入部した1年生にも、詳しい話を聞いてみることに。 学校まで約1時間かけて通学しているという庄司一翔選手は、「四街道高校はナイター設備が整っていること、マシンの数が多いこと、指導者の数に恵まれていることです」 さらに続けて、「自分に足りない『考える野球』を取り入れていたことにも惹かれました。トレーニングも自分の体に合わせ、メニューを組めるのも良いと感じました」と話します。 ●野球歴1年半で130km/hを投げた逸材も 180cmを超える宇都太智選手は、「坊主じゃなくても強い高校が良いと思って調べたところ、四街道高校がでてきました。中学の顧問の先生が古谷先生と知り合いで、『良い高校だよ』と勧められました。練習会に行ったところ、設備もよく先輩方も優しかったので、四街道高校にしました」とのこと。 宇都選手は中学2年生まではサッカーをメインでやっていたそう。そこからは野球に切り替え、野球歴1年半で球速130km/hを超えるという抜群のセンスを持っている選手。今後は、筋肉量と体重を増やし、150km/hを投げてプロ野球に行きたいと話してくれました。 強豪校に進学してもおかしくないような、有望な選手が入学してくるのは「自主性を重視しながら先進的な指導を行う方針」が時代にマッチしているのでしょう。
野球部員の減少、現場の古谷監督が感じること
取材の最後、古谷監督に「野球部員が減っている現状についてどう思うか」という質問を投げてみると…。 「高校野球の現場にいて感じることは、連合チームが増えてきたことですね。今後は20~30代の若い世代が指導者も増えてくるので、どんどん変化していく可能性もあります。高校野球を存続させるためにも、選手のために精一杯頑張っていきたいです」と語ってくれました。 7月6日に開会式が行われ、27日まで熱戦が繰り広げられる「第106回 全国高等学校野球選手権千葉大会」。今回取材をした四街道高校は、14日9時に行われる2回戦(会場:千葉県総合スポーツセンター野球場)から登場。相手は、県立木更津高校と県立市川東高校の勝者になります。 入場料は、ファミリーマート店内マルチコピー機で購入すると700円。Web購入は930円、球場での販売は1000円(中学生以下、障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料)となっています。
参考資料
・日本高等学校野球連盟「部員数統計・硬式」 ・千葉県高等学校野球連盟「部員数」 ・千葉県高等学校野球連盟「第106回 全国高等学校野球選手権千葉大会 チケット販売詳細」
小野田 裕太