夏の大会初戦敗退なのに「新入部員が30人超え」の公立校 千葉県立四街道高校の先進的な指導方針に目を疑う
古谷監督に部員が急増した理由を聞いてみると…
古谷監督に部員数が増加した理由について聞いてみると、「なぜでしょうかね。私も知りたいです」と笑いながらも、「中学生を対象とした学校説明会での野球部体験入部で、四街道高校の良い部分をしっかりと伝えられました。あとは今いる選手たちが中学校の後輩たちに四街道高校の良さを伝えてくれて入部を希望してくれます。スカウトはできないので、直接会えるのはほとんど体験入部の時ぐらいです」と話します。 四街道高校では、怪我防止とパフォーマンスの向上を目指し、4人のトレーナーに入ってもらい、正しいストレッチの方法や、選手個人の状態に合わせたトレーニングメニューを組んでいるそう。 古谷監督の後輩や教え子のトレーナーに見てもらっているので、月額1人1000円という価格になっているのです(それぞれのトレーナーは週1~2回もしくは、2週間に1回の頻度)。 トレーナーは大会当日も同行し、連投になる先発投手の可動域をチェックして、科学的な根拠に基づき投手運用もしています。私立ほど予算が取れない公立校ですが、本気で上を目指す監督に「協力したい」と心を動かされる人が多いのでしょう。 ●最新機器を使った指導も導入している 選手の技術向上については、最新機器を使った細やかな指導を実現。 プロ野球などでも使われている簡易型弾道測定器「ラプソード(定価49万5000円)」を実費で購入。投手の球速やボールの回転数、変化量などを測定することで、より論理的な話が可能になりました。 他にも正確なタイム測定を行うために使われる、「光電管 ワイヤレスタイム測定機(定価:22万円)」や、スイング測定機「BLAST BASEBALL(定価:2万1780円)」など、さまざまな機器を導入しています。 科学の力を借りて、選手1人ひとりの身長・体重・筋肉量、スプリント力、持久力、スイングスピード、球速、ボールの回転数といったデータを取って指導を行っているのです。 中学生が参加する練習会ではトレーナーも参加し、1からストレッチを教えたそう。データを用いた先進的な指導が、現代の中学生の心に響いたのかもしれません。