トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰医療を指摘
Michael Erman [22日 ロイター] - トランプ次期米大統領は、世界で最も影響力のある医薬品規制機関である米食品医薬品局(FDA)長官に、外科医で文筆家のマーティン・マカリー氏を指名した。 FDAは、人間用と動物用の医薬品、医療機器、ワクチンを規制し、新しい治療法を承認。これらが市場に投入される前に、その安全性と有効性を確認している。また、食品やタバコ、化粧品の安全基準も管理している。 マカリー氏はボルチモアのジョンズ・ホプキンス病院の医師で、近著が出版された際のインタビューでは米国における「過剰な治療」や「不適切な治療の蔓延」に反対を唱えた。 トランプ氏は22日の声明で、マカリー氏は「FDAの進路を修正し、焦点をはっきりさせるため」必要だと指摘。「米国民が当然受けるべき医療処置や治療を確実に受けられるよう、FDAの官僚的な煩雑な手続きを削減する」と確信していると述べた。 マカリー氏は米紙ウォールストリート・ジャーナルで、新型コロナウイルスのパンデミックにおける多くの公衆衛生問題に懸念を表明し、自然免疫の重要性を指摘し、一般市民に対するコロナワクチン接種の義務化に反対した。 上院で承認されれば、同氏はトランプ氏が厚生長官に指名したロバート・ケネディ・ジュニア氏の管轄下となる。環境弁護士でワクチン懐疑派として活動しているケネディ氏は、慢性疾患の撲滅、汚職の撲滅、そして国民が健康について十分な情報を得た上で決定を下すために必要なデータの提供に取り組むと述べている。 マカリー氏が医師として共同開発した、手術の成果を向上させる外科医向けの手術チェックリストは、世界保健機関(WHO)が広めて世界で使われている。 マカリー氏は更年期女性のホルモン補充療法の使用の見直し、抗生物質の過剰使用の削減、医学教育の改革を主張してきた。 ボルチモア在住のマカリー氏は、ワシントンの保守系医療シンクタンク、パラゴン・ヘルス研究所の顧問も務めた。