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モデルナ社のワクチン候補、臨床試験の最終段階へ、mRNAワクチンはなぜ有望か

配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

3万人を対象に第3相試験

 新型コロナウイルスのワクチンの有力候補が、市場に投入されるための重要な節目をひとつ越えた。米モデルナ社が、ワクチン臨床試験の第3段階をスタートさせたのだ。 ギャラリー:コロナ、ペスト、天然痘、パンデミックと闘い続ける人類  新型コロナウイルスはすでに半年以上にわたり、多数の感染者と死者、そして経済的混乱をもたらしている。ワクチン開発は、人々が日常を取り戻すための希望の光だ。モデルナ社のほかにも、英オックスフォード大学のグループがブラジルで第3相試験に入るなど、開発競争はますます盛んになっている。  モデルナ社は5月18日、健康な被験者が同社のmRNAワクチンに反応して「中和抗体」を産生したと発表していた。抗体とは、感染を防ぐうえで重要な、いわば免疫系の“衛兵”だ。  ただし専門家らは、中和抗体が確認できたのは、米国立アレルギー感染症研究所の臨床試験に参加した45人のうち8人のみだと指摘していた。モデルナ社はさらに2カ月後、第1相試験で単に抗体を作る以上の防御反応があったかどうかについて、十分な情報を備えた査読済み研究を発表した。  公表された情報からは、同社がこの先、前例のないことを成し遂げる可能性がうかがえる。世界初となるヒト用mRNAワクチンの承認を得ることだ。  モデルナ社の第3相試験は、30の州とワシントンDCにある89地域において、推定3万人の協力者を対象に行われる。目的は、2回のmRNAワクチン投与によって、新型コロナウイルスへの感染を防げるか、感染者の死を防げるか、あるいはその両方かを決定することにある。  米国政府はワクチン開発加速プロジェクト「オペレーション・ワープ・スピード」の一環で、モデルナ社のmRNAワクチン開発を推し進めているが、これに対し拙速との声も上がっている。もし今回の第3相試験が失敗すれば、その声の正しさを示すことになるかもしれない。  今回のプロジェクトでは、オックスフォード大学のワクチン候補や米ジョンソン・エンド・ジョンソン社が開発しているワクチン候補でも、米国における3万人規模の第3相試験をすでに予定している。

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