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白山の神に漁師願う 安全と大漁、切実に

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北國新聞社

 タイ釣りを表現した神楽(かぐら)を奉納し、海上安全と大漁を祈願する御贄講大祭(みにえこうたいさい)が6日、白山市の白山比咩神社で県内の漁業関係者約30人を集めて営まれた。古来、白山は海上から船の位置を知る指標に使われ、大祭は千年の歴史を持つとされる。今年に入り県内では漁師の死亡事故が相次ぎ、新型コロナウイルスの影響で先行きも不透明。海の男たちは例年にも増して切実な思いを抱き、山の神に祈りをささげた。

 神前に大きなタイやワカメなどの海の幸を奉納した後、村山和臣宮司が祝詞を奏上し、献幣使(けんぺいし)を務める県漁協金沢支所の島崎正朗運営委員長が祭文(さいもん)を読み上げた。

 2人の舞女(まいひめ)が、タイの模型をつり上げる所作を盛り込んだ「大漁神楽」を披露。同組合美川支所の5人は市無形民俗文化財の祝い歌「御酒(ごんしゅう)」を奉納した。

 神社によると、大祭は平安時代の1016(長和5)年に、加賀の七浦七湊から御贄(魚などの貢ぎ物)の献進があったことが起源とされる。白山は古くから日本海上における航海の目印として利用され、漁師から信仰の対象となってきた。

 県内では今年、海上での事故が相次いでいる。1月には志賀町の男性漁師が行方不明となり、3月には珠洲市の男性漁師が亡くなった。5月には県漁協金沢支所で最年長94歳だったベテラン漁師が帰らぬ人となった。

 今月に入り、不漁だったスルメイカが一転、豊漁を迎えたものの、関係者の不安は拭いきれない。神社の担当者は「今の苦境を乗り越えて、大漁につながってほしい」と話した。

北國新聞社