「税制優遇を担当者の誤った説明で受けられず」イオン九州が2億4600万円賠償求めた訴訟、国側争う姿勢
温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」の実現に向け、脱炭素化に取り組む企業に対して国が行う税制優遇を巡り、経済産業省九州経済産業局(福岡市博多区)の担当者の誤った説明で優遇措置を受けられなかったとして、イオン九州(同)が国に約2億4600万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が22日、福岡地裁であった。国側は請求棄却を求め争う姿勢を示した。
訴状によると、同社は2022年、脱炭素に取り組む企業として事業計画の認定を受けた。その後、計画を変更するため、手続きをしようとしたところ、担当者から「不要と考えている」とメールがあり、変更手続きを行わなかった。しかし、期限が過ぎた今年5月、同局からの連絡で必要だったことが判明。約2億円の税額控除を受けることができなかった。
同社側は「自己の解釈で誤った判断をしており、職務上の注意義務違反がある」と訴えている。