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食品・流通企業がウィズコロナ戦略模索 各社に難しい舵取り迫る

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食品新聞

 新型コロナウイルスに襲われた食品界が後半の折り返し地点に入る。緊急事態宣言は解除されたが第2波、第3波も懸念され、引き続き感染症への脅威に備えながら、コロナと共生する「ウィズ コロナ」の対応が求められている。「新しい生活様式」の中で従来のビジネスモデルや収益環境は大きく変化し、企業には難しい舵取りを迫られている。直近の夏商戦は本番を待つばかりだが、当面は、秋冬商戦への対応に頭を悩まされそうだ。

健康、デジタル、新事業も焦点

 前半は巣ごもり・内食需要、まとめ買いを反映し加工食品は総じて増勢。急速な需要増により供給停滞を招いた業界もでた。反面、外出自粛により飲食店やホテルなどの業務用は大打撃。インバウンドや海外事業の不振もあり、食生活にさまざまな変化がおきた。  3月期決算企業は過去最高益の企業もあったが、下方修正や中計の見直し企業もあり、外食企業は外出自粛が直撃し大幅減益を余儀なくされた。2021年3月期の業績予想は、コロナ収束の見通しがつかないため、多くの企業が未定とし、秋以降の新製品開発の遅れや設備投資の遅れも出ている。  今後は消費行動や価値観が大きく変わることが予想される。内食志向や健康・安全志向の高まり、ブランド志向、節約志向、低価格志向、生活防衛意識の高まり、ネット通販の拡大などが予想される。これに対して企業は、家庭用製品の強化や低価格志向を見据えた合理化の徹底、ブランド強化、デジタル化の加速、働き方改革、ネット通販などEC強化、海外戦略の見直し、新規ビジネスの強化、製造・流通現場での自動化システムの対応などを打ち出している。  新型コロナの影響で、今後は安心・安全、健康志向の高まりは予想がつく。  明治ホールディングスの 川村和夫社長は「予防や健康意識が高まるので、プロバイオティクスヨーグルト、ヨーグルトなどの健康価値をしっかり訴求する」とし、今後を「コロナ共存期」と捉える味の素社の西井孝明社長は「減塩・糖質制限・たんぱく質摂取関連など健康系食品が伸びており、これらを通じて巻き返し、21年度以降の成長を確実にする」構えだ。  伊藤園の本庄大介社長も「コロナ以降の消費者心理は、安心・安全、本物などの観点から安心感のあるブランドに需要が流れる。“お~いお茶“をさらに磨きあげ、とくに機能性の高い茶カテキンを強調する」方針だ。  危機だからこそ安心を担保としたブランドが決め手であり、カゴメは「ブランドの安心感や栄養感からカゴメ商品の購入が増加している」とし、各社が新製品より基盤ブランドの活性化を打ち出している。  内食志向の高まりは、秋冬の食品業界にとって歓迎されるトレンドだろう。  ミツカングループは「国内事業は、供給能力を最大限に活用した生産活動に注力し、調味料市場の活性化や納豆、食酢飲料、鍋つゆのさらなる成長を目指す」とし、製粉大手は家庭内で使用用途を広げる提案に力を入れる。  日清食品ホールディングスは、感染予防を図りながら一定の出勤を行う新たな働き方に移行したが、働き方改革は、ほぼすべての食品企業が実施。  J-オイルミルズの八馬史尚社長は「筋肉質な企業体質と働き方改革を一気に進め、来期からの次期中計に向けて成長を加速する」。  デジタル化の加速も焦点となっており、三菱食品の森山透社長は「コロナで働き方が一変したように、デジタル化で生産性を高め、変革のスピードを加速。食品流通のオーバースペックなサービス・機能を見直すきっかけになる」との認識を示した。  新規ビジネスに対し、日本アクセスの佐々木淳一社長は「成長拡大するECビジネスではリアル店舗とネットの双方に役立つビジネスモデルを構築」。  ポッカサッポロフード&ビバレッジの征矢真一社長は「リスクはチャンス、リスクが起きた時はチャレンジの可能性が高い」とし、レモン事業の領域拡大と植物性素材に意欲。  日清オイリオグループの久野貴久社長は「中計総仕上げの年として、油脂を基軸とした多様な付加価値ビジネスの追求、事業構造改革の推進により、21年度以降の飛躍に向けた礎を築く」との意気込みを示した。  また、国分グループ本社は、新規ビジネスをスタートアップ企業と共創する“国分グループアクセラレター2020“を立上げ、経営リソースとスタートアップ企業の斬新なアイデア・技術力を組み合わせて新たなビジネスモデルを創出する。  一方、コスト削減に対してコカ・コーラボトラーズジャパンHDは「市場がニューノーマルに回復した時に戦える状態にする。即効性のあるコスト削減に全力を注ぐ」とし、商品SKUの見直しも行う。

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