ディナーは1回10億円? ワインクラブを作ったクレオパトラ
世界初のワインクラブを作ったクレオパトラ
エジプトはワインの交易で多くの財宝を手にし、エジプト文明はますます発展していきました。 ワイン好きのクレオパトラが登場し、エジプトでのワイン文化はより開花します。紀元前41年、世界初のワインクラブを作ったのもクレオパトラでした。 ギリシャ神話に登場するワインの神“ディオニュソス”を崇拝していたクレオパトラは毎晩パーティーに明け暮れ刹那的にただ大量のワインを消費しました。 プリニウスの『博物誌』には、「クレオパトラが恋人のローマの将軍マルクス・アントニウスと1000万セステルティウス(古代ローマの硬貨)の食事を楽しんだ」との記述が残っています。 正確に換算することはできませんが、専門家は現在の通貨で10億~20億円だと推定しています。このとんでもないディナーはクレオパトラが企画したものでした。1回の食事でそんな大金を使うのは不可能と思われますが、クレオパトラはやってのけました。 食事も終わりに近づき、クレオパトラは召使いに強いワインビネガーを持ってくるよう命じます。彼女は耳から巨大な天然真珠のイヤリングを外し、その貴重な真珠をワインビネガーに落としました。小国が一つ買えるほどの莫大な価値のある真珠は酢の中で溶けはじめ、クレオパトラはそれを飲み干した、というのが、1000万セステルティウスのディナーメニューです。 莫大な出費を物ともせず、クレオパトラは毎晩優雅にワインと食事を楽しみました。 彼女が最も好んだワインは、イタリア北部の「ブラケット・ダックイ」という少し甘めに造られた赤ワインです。カエサルやアントニウスはクレオパトラのためにイタリア北部からエジプトへ送りました。この地域では、現在は軽い発泡性のあるデザートワインや辛口の赤ワインを生産しています。ギリシャ産のモスカートのワインもお気に入りでした。