サイバーセキュリティーの雄「パロアルト」の投資妙味
ネットワークの内外にかかわらず通信の暗号化や監視を行い、ネットワークにアクセスするものはすべて検証する(写真は本社:ブルームバーグ)
アメリカ市場に上場している注目銘柄を取り上げる連載企画「はじめての米国株」。今回は、サイバーセキュリティー・プラットフォーム・ソフトウェアを提供するパロアルト・ネットワークス(PANW)に着目したい。(最新の ドル円相場はこちら です)情報のデジタル化が進む中で、サイバー攻撃は増加傾向かつ種類も多様化している。セキュリティーに対する重要性は高まっており、同社が提供するような高度なセキュリティーへの需要は強いと思われる。 パロアルト・ネットワークスは、2005年に設立されたサイバーセキュリティー企業である。「ゼロトラスト」という考え方をベースに、クラウド環境に適応したセキュリティーシステムを提供している。ゼロトラストとは、何も信頼しないという前提で対策を講じる考え方である。 従来のセキュリティーは、安全な社内ネットワークと危険が潜む外部ネットワークに分類し、内部に脅威が入ってこないように境界をファイアウォールなどで守る方式が主流であった。一方、ゼロトラストでは、ネットワークの内外にかかわらず通信の暗号化や監視を行い、ネットワークにアクセスするものをすべて検証することでセキュリティーを構築する。 現在は、リモートワークやクラウドの利用が一般化したことで、社外の通信を利用するモバイル端末などから社内ネットワークにアクセスする機会や、クラウド環境下に置かれた情報がインターネットを通じて外部にさらされるリスクが増加した。社内の外部と内部の境目が曖昧になっており、従来の境界を守るセキュリティーでは隙ができてしまう可能性があることから、ゼロトラストのセキュリティーが関心を集めている。
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