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もし肘、肩を故障したら? 名医が語る思い切ったノースロー調整が大事な理由

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Full-Count

日本屈指のTJ手術執刀医・古島弘三医師に編集部が聞く10の質問・第9問

 新型コロナウイルスの世界的大流行に大きな影響を受けた野球界。開幕が大幅にずれ込んだNPBやメジャー、春夏の甲子園が中止となった高校野球、同じく大会が中止となった社会人、大学生に加え、小中学生もまたチームは一時、活動自粛となっていた。 【動画】もし肘、肩を故障したら? 日本屈指のトミー・ジョン手術執刀医が語る思い切ったノースロー調整が大事な理由  徐々にチームの活動が再開し、子どもたちに笑顔が戻ったが、一方でより強度の高い練習を行うようになり、故障のリスクにも注意を払っておきたいところだ。  そこで「Full-Count」では、野球における肩肘の障害を専門とする慶友整形外科病院スポーツ医学センター長の古島弘三医師にオンライン取材を実施。「教えて、古島先生!」と題し、気になる10個の質問をぶつけた。これまでトミー・ジョン手術(肘内側側副靱帯再建手術)を約700件も担当した日本屈指の執刀医が、分かりやすく教えてくれた答えとは……。  インタビュー動画と合わせてお届けするシリーズ、第9問は「軽いキャッチボールで済ませるより、肘の回復を考えたら完全にノースローの期間を設けることは大切ですか?」だ。

肩、肘の障害を起こすのは球数だけじゃない? 投球フォームにも原因が

 プロ野球選手の練習を伝える報道の中で「ノースロー調整」という言葉を耳にすることがあるだろう。これは文字通り、キャッチボールなどでボールを投げずにコンディション調整を行うことで、疲れが溜まった肩や肘を休ませる目的がある。  子どもたちの中にも、肩や肘に疲れを感じる時は軽いキャッチボールで済ませる選手はいるだろう。だが、痛みを感じた時には、思い切ってノースロー調整を行うことも大切だ。 「障害を起こしていれば、完全休養が一番早く治ります。障害がなければ、5、6割の力で軽く投げるのが問題になるわけではない。ピッチャー、キャッチャーの距離で軽く投げるくらいなら、怪我のリスクはないと思います。ただ、障害を起こすのは、球数だけじゃないと思うんですよね」  古島医師は、障害を引き起こす要因として考えられることについて、こう説明する。 「球数はもちろんですけど、球の強度、投球フォームも大事です。例えば、悪いフォームで強く投げれば、より早く壊します。フォームが良くてもたくさん投げれば、それでも壊す可能性はあります。悪いフォームでも軽く投げていれば故障はしない。数、強度、フォームはかなり密接な関係だと思います。そこに、試合や大会という要素が絡むと、疲労度が関係するので、いいフォームでも疲れていると怪我に繋がるんですね」  球数、投げる強度、投球フォーム、そして疲労度の関連性について、日米の先発スケジュールの違い、そして陸上競技を例にとって、説明してくれた。 「日本人投手がMLBに行くと、大体1年目の後半で故障することがありました。日本では中6日で投げていたのに、メジャーでは中4、5日で投げることになる。たった1か月くらいだったら中4日でも怪我をしないかもしれないけど、それが半年続くと最後の方は疲労が取れず、同じ球数を投げても負担がかかってしまうんですね。  例えば、400メートルのインターバル走で10本走ろうという時、最初は400メートルを1分のペースで走れても、10本目に同じ体力で走れるわけじゃない。思いきり走っても、そのペースでは走れなくなる。そういうところで頑張ると怪我をするんですね。肘も一緒です」  肩肘に違和感を感じたら、恐れずにノースロー調整をして疲れを取ること。それが大きな故障を避けるポイントと言えそうだ。

Full-Count編集部

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