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秋に『甲子園』代替大会を!…高校球児の心が救われるイベントの開催 強く願っている[大慈彌功コラム]

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中日スポーツ

「日本人初メジャースカウト・大慈彌功論」特別編

 昨年まで大リーグ4球団でスカウトを務めた大慈彌功さんは、高校野球の現場にも深く関わってきた。夏の甲子園は中止が検討されており、地方の現実の厳しさを指摘した上で、救済イベント開催を願っている。      ◇  ◇  ◇  高校野球のセンバツ、インターハイ、リトルリーグ世界大会等々に続き、夏の甲子園も中止の方向で検討されている。球児の心中は察するに余りある。特に高校3年生がかわいそうなのは、野球に限らず全ての部活動に言えることだ。  人命最優先はもちろんのこと、中止への流れをつくる最大の要因として、地方大会開催が困難なことが挙げられる。  高校野球には興行の側面もある。生徒たちがひたむきに野球に打ち込む姿を、お金を払って見ていただいているのも事実。各都道府県の高野連が開催する地方大会の費用は、入場料収入が貴重な財源であり、日本高野連の資産とは別である。  無観客となれば、経営が潤っている東京都や神奈川県以外の道府県では、運営は不可能に近い。試合をすれば球場使用料、1試合1ダースのボール代、グラウンド整備員の手当や警備員の日当などの費用がかかる。  審判員も不可欠。さらに大会運営を支える役員や補助生徒も必要で、当該チームの生徒だけで試合はできない。球場への移動はバス、電車など「3密」となる交通機関が主になるため、サポートする生徒や教員の派遣も学校、保護者の同意を簡単には得られない。  十分な感染予防対策を施すことも難しい。ベンチやロッカールームの1試合ごとの消毒は、生徒を含め各学校関係者がやらなければならない。だが、消毒液やゴム手袋などは品薄で、学校現場ですらなかなか手に入らない状態だという。  厳しい現実を前に、今なお全国の野球部員の多数はわずかな可能性を信じ、自主練習に励んでいる。球児にとって聖地・甲子園の代わりになるものはない。だが、この秋に代替大会を開いたり、その他にもいろいろな救済案があるはずである。  これから時代はコロナとの共生へと進む。万全の策を講じた上で、球児の心が救われるイベントが行われることを願うばかりだ。(元大リーグスカウト)

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