お菓子「ねるねるねるね」が34年のロングセラーを続ける理由
1.3倍大きくふくらむようになった
変わらない部分は当然ありつつも、マイナーチェンジを図る頻度やタイミングの基準はあるのだろうか。 「パッケージはほぼ年単位で細かく変更しているのですが、昨年夏に、おそらく商品としては史上初の大幅なリニューアルをしました。発売以来、100円だった価格を120円(税抜)に変更して、商品もおよそ1.3倍大きくふくらむよう改良しました」 現在、主なターゲットとして想定しているのは、未就学児~小学3年生くらいの子どもたち。ただ、これは「ねるねるねるね」に限らず、手がけている知育菓子(R)全般に言えるとか。 「販売先としてはスーパーマーケットやコンビニエンスストア、ドラッグストアに置かれています。『ねるねるねるね』シリーズは、知育菓子(R)の中でもやはり一番の人気となっています」
近年はSNSの運用も強化
消費者へのプロモーションは春休みや夏休みなどを中心に、子ども向け番組でスポットCMを打つのは昔から変わっていないという。一方で、近年は保護者に対して知育菓子(R)の意義や役割を伝えられるようにSNSも強化している。 「その理由は購入方法として、子どもたちがお小遣いで買うよりも、保護者と一緒に買い物へ行ったついでに購入するケースが多いためですね。YouTubeでもオリジナルアニメなど、知育菓子(R)を広めるコンテンツを強化しています」
開発者が考える知育菓子(R)の意義
子どもたちにとっては刺激の多い現代。最後に「ねるねるねるね」をはじめとする知育菓子(R)の意義をどのように考えるか尋ねてみた。 「僕自身も子どもの頃に魔法使いのおばあさんのCMを見ていた記憶があるものの、開発に携わった当時は、子どもたちをとにかく『楽しませればいい』と思っていました。ただ、消費者の声を聞いていくうちに、本来の意義は『子どもたちが自分で考えながら作り、完成した達成感を食べて味わえること』。これこそに価値があると感じるようになっていったんです。 これは、教育でも必要とされる子どもたちの『自己肯定感』にもつながっていると考えていますが、今後も、子どもたちのためにという気持ちはもちろん、保護者のみなさんにもその意義を伝えられるように展開していきたいと思います」 食べる以外の楽しみを与えてくれる先駆者として、この先も「ねるねるねるね」は、世代を超えて末永く愛されるお菓子として進化を遂げそうだ。 <取材・文/カネコシュウヘイ>
bizSPA!フレッシュ 編集部