チバニアンに金の目印 命名根拠となった市原の地層へゴールデンスパイク 市原市長「地球の躍動伝える」
地質年代「チバニアン」の命名根拠となった千葉県市原市田淵の地層に目印となる「ゴールデンスパイク」が設置された。スパイクは地質年代区分となる国際境界模式地(GSSP)に国内で初めて認定されたことを示し、世界中の研究者が集い学び合うランドマーク的な存在となる。21日に開かれた除幕式で小出譲治市長は「地球規模で起きたダイナミックな自然の営みを将来に伝える象徴となる」と話した。 チバニアンは約77万4千年前~約12万9千年前の地質年代で、その命名根拠となった地磁気逆転の痕跡を連続して捉えることができる地層が2018年10月に国天然記念物に指定された。20年1月には国際地質科学連合(IUGS)からGSSPに認定されチバニアンが誕生。地質年代に日本の地名に由来する名が冠されたのは史上初となる。 スパイク(直径20センチ、厚さ5センチの真ちゅう製)には、境界線とともに「Chibanian GSSP 2020 JAPAN Ichihara City」の文字を彫刻。3枚造られ、現地に設置したほか、隣接のビジターセンターと市役所に展示。
除幕式は近隣のゴルフ場ホールで開かれ、小出市長は「市はこの貴重な地層を守り、未来へと伝えていくとともに、研究・学習教材として積極的な活用を図るため、26年度供用開始に向け見学環境整備を進めている。地質学のより一層の発展に貢献し研究者を支援したい」とあいさつ。 来賓の熊谷俊人知事は「千葉の名前が地球史に刻まれた。文化財として保護し、教育や観光に活用していきたい」と話した。 また長年研究に携わった岡田誠茨城大理学部教授は会見で「地球の歴史がどうやって明らかにされてきたか、その基準の一つがここにあると実感していただく時を迎えた」と思いを込めた。