地獄の失恋をクソにするか糧にするかは自分次第…！

『その別れ話、聞かせてください。』

突然ですが皆さん、手痛い失恋をしたことはありませんか？　それは結構な地獄ではありませんでしたか？　大好きな人に、何が何だがわからないうちに振られ、急に目の前が真っ暗になる。ご飯も喉を通らなくなる……。特にアラサーで、結婚も考えていた相手との別れだとしたら、寂しさと共に、この先の人生の不安も相まって、尋常ではないレベルのダメージを負った方もいらっしゃるかと思います。 【漫画試し読み】マッチングアプリで出会った彼と約1年半付き合って別れた理由／その別れ話、聞かせてください。（1）

『その別れ話、聞かせてください。』

そんな辛い失恋など、なかったことにしたい人も多いはず…。しかし、青色イリコ先生の『その別れ話、聞かせてください。』は、自らも30歳を過ぎてひどい失恋を経験した著者が、「別れを“つらかった経験”で終わらせるのはもったいない！　振り返って見直してみると当時はわからなかった気づきがある」と、さまざまな人の別れ話を聞きに出向き、別れから学びを得る過程が綴られているコミックエッセイです。さて著者は一体、辛い別れからどんな学びを得たのでしょうか…!?

自慢の彼氏のはずが、突然他の女と結婚……！

『その別れ話、聞かせてください。』

それぞれの目線で反省点が綴られるなど、興味深いエピソードがてんこ盛りです。その中でも、個人的に一番衝撃だったのは、「秘密の社内恋愛中の彼氏が急に結婚すると言い出して別れた話」。 同じ会社の同期で、イケメン。周りからの評判も高い自慢の彼氏と付き合っていたYさんの体験談です。「仕事とプライベートは混同させたくない」という彼の希望で、周囲には秘密で付き合っていたものの、交際自体は順調だったそう。

『その別れ話、聞かせてください。』

しかし、付き合って一年経った頃、彼に突然「地元に長年付き合っている本命の彼女がいて、結婚するから別れてほしい」と一方的に告げられてしまいます…！ 衝撃が大きすぎて何も言えずそのまま別れたYさんですが、彼の結婚話で周りが盛り上がっても、お付き合いが秘密だったので、何も言うことができず……。別れた直後はボロボロになったそう。彼は、仕事は飛びぬけて優秀、プライベートでも連絡はマメだし、誕生日には旅行に連れて行ってくれる“外面パーフェクト中身ドクズのヤベー奴”だった…。 著者も、「彼の本性を見抜くのは難しく、Yさんに落ち度はない」と励ましますが、Yさんは「あんなことされても好きって気持ちはなかなか消えないんですよね……」と肩を落とします。ひどいことをされても、好きだった気持ちを完全に消すことができない……。Yさんのこの言葉に共感する方は多いのではないでしょうか？　著者は、その気持ちを否定しなくてもいいと告げたあと、「今はつらくてもこの経験は無駄にならないって思えるようになることが大事なんだと思います」と今回の別れからの学びを結論づけます。