中国、独禁法違反の疑いでエヌビディアを調査 米規制に報復か
Liam Mo Brenda Goh [北京 9日 ロイター] - 中国国家市場監督管理総局(SAMR)は9日、独占禁止法違反の疑いで米半導体大手エヌビディアの調査を開始したと発表した。詳細は明らかにしていないが、米国が中国への半導体輸出規制を強化したことへの報復とみられる。 発表文によると、エヌビディアはイスラエルの半導体設計会社メラノックステクノロジーズ買収で当局から2020年に認可を受けたが、認可の際に示した条件にも違反した疑いがある。この認可には不合理な取引条件の禁止など複数の条件が盛り込まれていた。 9日のエヌビディア株は2.5%安で引けた。同社の広報担当者は、事業を行うあらゆる場所でコミットメントを順守するよう努力しているとし、「規制当局が当社のビジネスについて抱く可能性のある質問には喜んで答える」と述べた。 中国が海外の大手ハイテク企業に対して独占禁止法違反の調査を開始するのは、2013年のクアルコムに対する調査以来となる。 米国は2日、中国の半導体産業に対する3年間で3度目となる規制を発表。 TECHnalysisリサーチのチーフアナリスト、ボブ・オドネル氏は「エヌビディアの最先端チップのほとんどはすでに中国への販売が制限されているため、(今回の調査は)特に短期的には同社に大きな影響を与えそうにない」と述べた。 中国は3日からガリウムなど「デュアルユース(軍民両用)品目」の米国への輸出を禁止している。 オドネル氏は「中国政府が米国からの最近の規制に対抗しようとしているのは明らかだが、米国の半導体業界に対する影響力は時間とともに低下し続けている」と語った。