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キヤノン御手洗氏84歳、3度目の社長就任 後継者はいないのか…

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文春オンライン

 キヤノンは5月1日、御手洗冨士夫会長兼最高経営責任者(CEO、84)が社長を兼務すると発表。真栄田雅也社長兼最高執行責任者(COO、67)が健康上の理由から退き、技術最高顧問に就任した。 【写真】この記事の写真を見る  今回で3度目の社長就任となる御手洗氏を市場は冷ややかに見ている。 「市場ではキヤノン低迷の原因を御手洗氏が実質25年もトップに君臨していることもその一因と見る向きがある。社長復帰の発表後、株価は下がりました」(市場関係者)  だが、御手洗氏は全く気にしていないという。 「御手洗氏はもともと我が道を行くタイプ。長期政権を批判されても『任期が短ければ社長はできない。GEのジャック・ウェルチは20年やっていた』と語っています」(親しい財界幹部)  初代社長の甥にあたる御手洗氏が最初に社長に就任したのは1995年。カメラや複写機、プリンタに事業を集中させ、売上高営業利益率15%超と欧米のトップ企業なみに引き上げた。  御手洗氏は経団連会長に就いた2006年、いったん社長を退き会長に。経団連会長を退任した10年から陣頭指揮をとり、12年に再び社長となった。 「20年に売上高5兆円」  御手洗氏はそうぶちあげ、東芝メディカルシステムズを買収して医療機器に参入するなど、M&Aを行って新規事業を進めてきた。 「御手洗氏は朝4時に起きて7時に出社し、8時前から役員を集めて朝会を開く。御手洗氏は社長を退いていた時期も朝会を仕切り、『君はこんなことも知らないのか』と叱責したり、社長に全権を任せず指示を出していた。そのため、御手洗氏に異を唱えられる人はいないのです」(証券アナリスト)

御手洗氏の社長復帰であらわになった課題

 売上高は07年の4兆5000億円をピークに低迷し、19年決算は3兆6000億円。目標の5兆円にはほど遠い。  なぜ今回、御手洗氏は社長復帰を決意したのか。 「社内で一番働き、カリスマ性のある御手洗氏が前面に出ることで、社員の士気を鼓舞するのが狙いなのです」(キヤノン関係者)  だが、それは後継者を育てていない証左でもある。 「御手洗氏は故郷の大分県佐伯市への愛が強く、キヤノンでは地縁が出世のポイントとも言われます。御手洗氏が06年に後継指名した内田恒二社長は県立佐伯鶴城高校の後輩。退任した真栄田社長は御手洗氏の出身地に隣接する宮崎県延岡市出身です。キヤノンにとって最大の経営リスクは御手洗氏以外に人材がいないことなのです」(同前)  世界的なエクセレントカンパニーを目指すキヤノン。そのためには、御手洗氏後継の育成が急務だ。

森岡 英樹/週刊文春 2020年5月21日号

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